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グリーがディー・エヌ・エー提訴 「釣りゲーム」が著作権侵害

   SNSサイト「GREE」を運営するグリーが2009年9月25日、「モバゲータウン」のディー・エヌ・エーを提訴すると発表した。モバゲー内で配信されていた釣りゲームが、GREEが先に配信していた釣りゲームの著作権を侵害しているとしている。

配信差し止めと損害賠償約4億円を請求

   グリーは、9月25日の取締役会でディー・エヌ・エーと携帯向けコンテンツ開発会社ORSO(オルソ)を、東京地方裁判所に提訴すると決議した。ディー・エヌ・エーがORSOと共同で製作し、「モバゲータウン」内で配信している携帯ゲーム「釣りゲータウン2」が、「GREE」の携帯向けゲーム「釣り★スタ」の著作権を侵害しているとしており、著作権法と不正競争防止法に基づき、「釣りゲータウン2」の配信差し止めと損害賠償3億8385万円のほか、謝罪広告の掲載を請求する。

   GREEの「釣り★スタ」もモバゲーの「釣りゲータウン2」も、携帯電話で気軽に釣りを楽しむことができるゲーム。狙った場所にタイミングを合わせて仕掛けを投げ、エサに魚が食らいついたら、またタイミングよくボタンを押して釣り上げるというものだ。どちらもコミュニティ機能と釣り具の課金制を備えているなど、似ている点が幾つかあるが、基本的にはオーソドックスな釣りゲームだ。

   グリーは06年11月から携帯向けゲームコンテンツの配信を開始。同社によると「釣り★スタ」は、07年5月に配信を始め、以来人気コンテンツだという。一方、「釣りゲータウン2」の方は、前身となる「釣りゲータウン」が08年6月に配信スタート。「2」は09年2月から配信している。

開発会社「実体験を踏まえゲーム化したもの」

   「釣りゲータウン2」の方が後に配信されているが、開発会社のORSOによると、「社内に釣り好きな者もおり、実体験を踏まえゲーム化したもの」だという。開発の際、「釣り★スタ」を参考にしたか否かということに関しては、「提訴をお決めになったという状況にあっては、回答を差し控えさせて頂きます」とのことだった。

   グリーは「当社は、知的財産権を事業の極めて重要な資源の一つと位置付けており、今後も当社は保有する知的財産権が侵害されたと判断した場合には、毅然とした態度で臨む所存であります」とし、強気の構えだ。ディー・エヌ・エーは「訴状を見てないのでコメントできる状況にありません」としている。