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「ダンマリ」日本郵政西川社長 一体いつ辞めるのか

   「辞めていただく」と、鳩山由紀夫首相、原口一博総務相、亀井静香郵政・金融担当相から辞任を突きつけられた日本郵政の西川善文社長。その動静を追う担当記者に、西川社長は連日「何もない」と言うばかりだという。亀井大臣は「経営陣刷新」にまで言及したが、語らない西川社長を代弁するかのように口を開いた日本郵政の取締役は「辞任する理由がない」と「抗戦」も辞さないとの言葉が聞こえる。膠着状態が続く西川進退問題はどこへ行くのか。

前政権から「辞任すべき経営責任はない」というお墨付き

   西川社長の進退問題がまず浮上したのは前政権当時の「かんぽの宿」売却問題だった。鳩山邦夫総務相(当時)は「売却先選定過程が不透明だ」と西川社長の経営責任を厳しく追及した。しかし「法律違反はなかった」(佐藤勉前総務大臣)などを理由に、前政権は西川社長の続投を承認し、逆に鳩山氏を「混乱を招いた」として総務相から更迭した。この決着は、自公政権を瓦解させた理由の一つにもなったとされるが、日本郵政側にすれば「西川社長には辞任すべき経営責任はない」という証文を政府が与えたとの理解になる。

   しかし、政権は変わった。要は「政権交代はパラダイムシフト。経営陣刷新も改めて検討の対象になる」と考える新政府と、引き続き「辞める理由がない」とする日本郵政経営陣との認識のずれが、膠着状態を生んでいる。

株式売却凍結になれば、西川社長は自ら辞める?

   新政府が一気に決着を付ける方法はある。日本郵政の株は100%国が保有する。財務省が臨時株主総会召集を取締役会に求め、総会で取締役を解任できるのだ。しかし当の亀井担当相が「生首をとることはしない」、原口総務相も「西川さんだけが悪いわけではない」「人事は慎重にやる」と言い、表向きは退路を残す構えのようだ。

   では、いつまでこの状態が続くのか。連立与党は日本郵政グループ3社の株式売却凍結法案を秋の臨時国会にも提出する。これこそまさにパラダイムシフト。日本郵政内には「株式売却凍結になれば、『上場を自らの責務』としてきた西川社長は辞める」という見方がある。それを知ってか知らずか、亀井担当相も「状況が変わったことを認識して(西川社長は)ご自分でお決めになるでしょう」と余裕を見せているが、果たして西川氏の決断は?