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高速道路SA内のホテル 「1000円」効果で週末、連休予約殺到

   高速道路「休日料金1000円」のせいもあって、サービスエリア(SA)やパーキングエリア(PA)内にあるホテルの利用者が増えている。ベッド、風呂完備で快適に泊まれる上に、料金はビジネスホテルよりも安めなのがうけている。

   休日の高速料金が1000円になってから利用距離が伸びているらしい。西日本高速道路によると、西日本間での09年5月の休日利用距離は、80~200kmが08年同月に比べて1.3倍、200~400kmが1.7倍、400~600kmが1.6倍、600km以上が1.6倍に増えた。一方、80km以内の近距離利用は0.9倍で減っている。この傾向とホテルの利用が増えていることには因果関係がありそうだ。

客数は足柄11.6%増、多賀12.5%増

   現在、高速道路が併設するホテルは、東北自動車道「佐野SA」(栃木)、東名高速道路「足柄SA」(静岡)、名神高速道路「多賀SA」(滋賀)、関門自動車道「壇之浦PA」(山口)の4カ所だ。2010年冬に山陽自動車道「宮島SA」にもオープンする。

   多賀SAにあるホテル「レストイン多賀」はシングルルーム、ツインルーム(バス付き、バスなし)、和室の4タイプで、26室ある。タオル、ゆかた、歯ブラシセットが用意されている。バスなしのシングルルームだと1人4515円で泊まれる。館内には大浴場やサウナルームもある(料金別)。

   足柄SA内の「レストイン足柄」は全室バストイレ付きで、全38室。設備は多賀と同じだ。2つのSAを運営している中日本エクシスによると、2009年4~9月期の客数は足柄が前年同期比11.6%増、多賀が同比12.5%増だった。

   広報担当者は、

「SA内のホテルは利用状況が限定されるため、一般のホテルに比べて稼働率は低いのですが、休日の高速道路料金が1000円になり、カップルや友人同士で利用するケースが増えています。特に金曜日の夜の利用が多いです」

といっている。

4人1室の利用で1万500円

   関門自動車道の壇之浦PAにあるのは、「ファミリーロッジ旅籠屋」。2階建ての白い洋館風で14の客室がある。約15畳の部屋に幅1.5メートルのクイーンサイズのベッドが2台設置されている。テレビ、冷蔵庫、エアコン、ヘアードライヤー、テーブル、オープンクローゼットを完備。インターネットに無料で接続できる。ラウンジにはコーヒーサーバー、電子レンジ、湯沸かしポット、オーブントースターがあり、無料で使える。館内にはコインランドリーもある。料金は4人1室の利用で1万500円、1人で泊まるなら5250円だ(ハイシーズンを除く日~金曜)。10月と11月の土日祝日がほぼ埋まっていて、12月末は空き部屋が残り少なくなっている。

   東北自動車道、佐野SA(栃木県)内にも同タイプのホテルがある。客室は14室。ここも10月の土日と11月の3連休は予約が埋まっている。佐野SAを管理している東日本高速道路は、

「高速料金1000円の導入で、週末の予約が早く埋まるようになりました。ディズニーランド周辺のホテルは料金が高いので、佐野のホテルに泊まって、朝早くにディズニーランドに行くというお客さまもいらっしゃるようです」

といっている。

   新しいホテルの建設も予定されている。

   西日本高速道路は山陽自動車道「宮島SA」(広島)に建物面積約1000平方メートルの敷地にホテルを建設し、2010年冬にオープンする。広報担当者は「SA利用者にATM、コンビニに続いてホテルのニーズがある」と話していることからも、高速道路のホテル建設が全国に広がりそうだ。