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ネット「英会話教室」が急成長  フィリピン人講師で格安実現 

   格安で授業を受けられるオンラインの英会話サービスが急成長している。自宅で気軽に授業を受けられるのがうけているのに加え、人件費を抑えるためフィリピン在住の講師を採用し、格安を実現した。各社とも、決して「安かろう悪かろう」ではない、と強調する。

1コマ100円で英会話

   2009年6月に会社設立したばかりの「ぐんぐん」は、9月からオンライン上で英会話を学ぶサービス「ぐんぐん英会話」の運営を始めた。自宅からインターネットの無料電話「スカイプ」を利用して、パソコンディスプレイに映る講師から英会話を学ぶ。

   月額6000円で、毎日、1コマ25分のレッスンを2回まで受けることができる。1コマ100円で英会話というのが売りだ。料金はクレジットカードや銀行振り込みなどで払う。

   価格が安いのには理由がある。講師に人件費の安いフィリピン在住者を採用しているからだ。同社では、日本人スタッフがフィリピン・マニラにいき、英会話講師や大学講師などの経験のある講師を採用している。「訛り」もほとんどないといい、登録者数は僅か2か月で600名ほどに達した。同社代表の谷口友洋さんは

「現在講師は30名ですが、会員数も増えてレッスン枠が取りにくくなっています。年内に講師数を40~50名に増やしていく予定です」

と話す。日本語を話せる講師も一部にいて「英会話が初めてでも安心」とPRする。毎日10時から25時まで開講、午前は主婦、夕方以降はサラリーマンの利用が多い。

   オンラインでの英会話学習は韓国では既にポピュラーなものになっています。

   オンライン英会話業界大手の「レアジョブ」も、09年初頭は約6000人だった登録者数が、11月現在1万7000人にふくらんだ。サービス開始が07年11月、当初10名だったフィリピン人講師も800名までに増えている。

   講師は皆、フィリピンで最も難関とされるフィリピン大学の現役生と卒業生。たくさんの講師の中から自分に合った人を選べるのが特色で、医学系の講師と専門的な英会話を学ぶ、といったこともできる。こちらも1コマ25分の授業が約130円から。白人ネイティブのオンライン授業料が同時間1000円からなので、比較するとかなり安い。

子ども対象に、簡単な挨拶から会話まで

   11月にスタートしたばかりの「リップル・キッズパーク」は、子ども向けに特化したオンライン英会話サービス。1歳から15歳の子どもを対象に、簡単な挨拶から会話までを学ぶ。こちらも講師は皆フィリピン人だ。インターナショナル・スクールで教えていたり、米国企業での勤務経験があったりするなど、外国人と接する機会の多かった講師を採用している。同サービスを運営するリップル・キッズパーク社の広報担当者は、

「かなり高度の英会話ができる人でないと、訛りには気付かないレベルだと思います。白人でもアーノルド・シュワルツネッガーのように訛っている人はいますし、アジア人でも綺麗な英語を話す人はいます」

という。25分の授業が週1回受けられるプランが4980円などとなっており、1コマあたりの授業料は約1300円。兄弟2人で同時に受講しても同額なので、実店舗型の英会話教室より割安だ。

「もう既に価格競争が始まっていますが、他のサイトを見ると、英語教育経験のない学生を捕まえて運営しているところもあるようです。弊社では、きちんとプロとしてキャリアのある講師を集めました。1300円以上の満足を提供したいと思います」

   「不景気で子どもの習い事も削られる傾向にありますが、そこに割安なオンライン英会話が入ることができれば」と話している。