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吉野家「期間限定」牛丼値下げ その後継続するかどうかに注目

   牛丼チェーンが相次いで値下げを行う中、老舗「吉野家」も牛丼の価格改定に踏み切る。しかし、今回はあくまでも「期間限定」。「吉野家ならではの味と品質を考えると、その後は値下げできない」(吉野家ホールディングス)というが、他社が軒並み値下げに動いており、本格的な値下げに追い込まれる可能性もある。

   吉野家は2010年で創業111周年を迎えるのに合わせ、1月11日から「牛丼80円引き」キャンペーンを実施する。一部店舗を除き、全国の吉野家で牛丼が80円安くなる。並盛りの場合、380円が300円になる。21日までの期間限定だ。

期間限定後の値下げ継続は全く考えていない?

吉野家の値下げはいつになるのか
吉野家の値下げはいつになるのか

   牛丼に関しては、09年末から大手チェーンが相次いで値下げに踏み切った。12月初旬、「松屋」が並盛りを380円から320円に値下げしたのを皮切りに、「すき家」も330円から280円に値下げ。「なか卯」も21日から40円値下げして350円だ。吉野家が値下げするのも秒読み段階に入ったと見られていた。

   だが、今回の値下げはあくまでも「期間限定」。300円になるのは21日までで、それ以降は通常の380円に戻る。吉野家ホールディングスの広報担当者も

「値下げは全く考えておりません」

ときっぱり。01年に、当時400円だった並盛りを、280円に大幅値下げしたことがあった。その際は、値下げをしても利益が上がるよう、業務の効率化を徹底的に図ったという。

割高の米国産牛肉を使用するハンデ

   しかし、当時とは事情が違うという。

「06年に米国産牛肉の輸入が再開されたのですが、そのときに生後20か月以下の牛肉しか輸入しない取り決めが行われました。世界では30か月以下というのが主流ですので、米国では日本向け専用のラインを設けなければならず、その分コストが高くなっているのです」

と説明する。

   ちなみに、すき家が使っているのは米国産牛肉でなく、より割安といわれる豪州産。吉野家が米国産を使い続けるのは「その料理に相応しい牛肉というものがあります。穀物で育てた北米産牛肉でないと、吉野家の牛丼には合わないのです」とし、「吉野家ならではの味と品質を考えると、値下げすることはありません」というのだ。