2020年 1月 26日 (日)

枝川二郎の「マネーの虎」
日本人ばかりが国債を買っている危うさ

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   前回に続き、国債についてもう少しふれたい。

   とあるバーでの出来事。バーテンダーのあなたは、ウィスキーが水割り一杯分しか残っていないことが気がかりだった。そこにあらわれた二人組の客が入りざまに「水割り二杯」を注文した。不景気なので、絶対にノーとは言いたくないところ。そこであなたに悪魔の声が囁く「水を倍足せば薄い水割り二杯になるよ」と。

   国債はいくら発行しても必ず返済できる、と主張する人がいる。日本経済の実力が変わらなくても、どんどん札を刷って返せばよいそうだ。これはウィスキーの量が同じでも水をどんどん足して薄めていけばいくらでも水割りができる、というのと似ている。「グラス一杯の水にウィスキーを一滴たらしただけでも水割りには違いない」という理屈だ。

メリット大きい、銀行の国債引き受け

   これが本当だったら日本経済はバラ色だ。われわれは錬金術を手にしたようなもの。今みたいに中途半端に借金を増やすようなやり方はやめて、税金をゼロにするべきだろう。所得税がゼロになったら個人消費は大きく伸びるし、法人税をゼロにしたら海外からの投資が激増すること間違いない。さらに、その気になれば教育費、医療費、介護費・・・などすべてゼロにできる。

   ただ残念ながら、世の中そんなに甘くはない。実体経済の拡大につながらない国債の増刷は必ず価値を下げる。そしてそれはインフレということでもある。インフレとは、カネの価値が下がること。カネを持っている人が損してモノを持っている人が得するのがインフレで、モノを持っている人が損してカネを持っている人が得するのがデフレ。どちらにしても問題だ。

   こう書くと、長いこと国債の価格は高値(低利回り)で安定していたではないか、という反論が出る。確かに、今まで日本の生命保険会社や銀行などが増発される国債をどんどん買ってきた。銀行にとってみると、預金は集まるのに貸し出しの需要は低迷。そこから生じる巨大な余剰資金の行先として国債はうってつけの存在だったのだ。

   もちろん、単に懐が深いというだけで大事なカネを投資する人はいない。じつは国債を保有することは金融機関にとっても大きなメリットがある。長期の金融商品である国債の金利は通常であれば、短期の預金金利よりもかなり高いので、持っているだけで利ザヤが稼げる。リスク・ウェイトもゼロなので、自己資本比率規制の面でも有利に働く。つまり、不良債権になる可能性など想定しなくてもよいというのである。

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