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ブログやツイッター「検察に批判的」 ジャーナリストがいうのは本当か

   民主党・小沢一郎幹事長を追い詰める検察に対し、一部ジャーナリストらから、やり方が横暴だとの批判が出ている。マスコミへのリークなどで、自らの都合のよいように世論操作しているというのだ。同調する声はどれだけあるのか。

   「検察」のキーワードで書かれたブログの数を検索サイト「兆」で調べると、2010年1月19日までの1週間で4000件以上にもなる。これは前週の6倍ほどだ。過去1年間でも飛び抜けて高い数字になっている。

ジャーナリストらから次々に異論

「検察」のブログ数は急上昇
「検察」のブログ数は急上昇

   これは小沢一郎氏が検察の強制捜査に対する批判を繰り返したのと、ここ数日でジャーナリストらからも異論が出ていることが大きいようだ。

   毎日新聞の18日付記事によると、都内で開かれた陸山会の土地購入事件捜査のシンポジウムでは、次々に東京地検特捜部への疑問が噴出した。ジャーナリストの田原総一朗氏、大谷昭宏氏、鈴木宗男衆院議員らが「無理筋捜査だ」と訴えたというのだ。その理由として、捜査の背景に、国をリードする思い上がりや西松建設の違法献金事件へのリベンジがあったとしている。

   さらに、ジャーナリストの有田芳生氏がツイッターで18日、「検察権力の横暴」を週刊朝日編集長との会話で話題にしたことを打ち明けた。有田氏は、検察による「真偽不明のリーク情報」で世論が操作され、政権交代の流れが破壊されようとしていると批判。これに対し、ブログやツイッターでは、「多くが検察に批判的」だとした。リーク情報に躍らされるマスコミと対照的で、「世論の二重構造が生まれている」という。

   これは、週刊朝日がジャーナリストの上杉隆氏と書いた1月29日号の特集「検察の狂気」でも触れられている。

   このほか、テレビ番組やネット上などで、ジャーナリストの鳥越俊太郎氏、元外務省主任分析官で作家の佐藤優氏、元ライブドア社長の堀江貴文氏も検察批判を展開している。

世論調査では、検察支持多く

   最高実力者、小沢一郎幹事長の意向をくんでなのか、民主党内でも、検察に対抗する動きが次々に出ている。

   特捜部からのリークの疑いを調べようと、党内に2010年1月18日、「捜査情報漏えい問題対策チーム」が設置された。今後、報道のあり方を検証するという。また、逮捕された衆院議員の石川知裕容疑者と同じ当選2回の議員が同日、「石川知裕代議士の逮捕を考える会」を作り、「逮捕は不当」と訴えた。閣僚からも異例の言及があり、中井洽国家公安委員長は、19日の閣議後会見で、「特捜部も説明責任がある」と述べている。

   「検察は横暴」という声は、世論の中でも高まっているのか。

   ブログやツイッターで「検察」という言葉で検索すると、確かに、検察のリークやそれを真に受けて報道するマスコミへの批判もある程度見られる。J-CASTニュースのコメント欄でも、「小沢を筆頭とする民主党は官僚支配を壊そうとしている。これには全官僚が陰で手を組んで失脚させようと動いたとしても不思議ではない」「こんなに検察の力が増強するのは、戦前の軍部を想像させる」などと書き込まれている。

   一方、新聞各紙の世論調査では、強制捜査後に内閣支持率が急落している。例えば、朝日が18日発表した調査では42%に大きく落ち込んだほか、小沢氏に幹事長辞任を求める声も67%に達している。これに対し、ネット上でも、検察と民主党どちらを支持するかというライブドアのアンケートでは、8割以上が「検察」と答えている。ヤフーの「みんなの政治」サイト投票でも、7割が小沢氏の辞職を望むとした。2ちゃんねるでも、小沢批判の方が強い。

   結局、検察横暴論が出ている背景には、立法、行政と並ぶ検察という「権力」への不信がある。