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ネット予約できないiPad3G 「並ぶしかない」不思議

   米アップルの多機能情報端末「iPad」の日本発売が決まり、予約受付が開始した。初日は、アップルジャパンの直営店や家電量販店などで朝から行列ができるほどの人気ぶりだ。

   しかし、商品を購入するならともかく予約だけであれば、わざわざ店に並ばなくてもネット経由で受け付けられるのではないか。アップルのウェブサイトを見ると、「Wi-Fi」(無線LAN)モデルはオンライン予約可能だが、「Wi-Fi +3G」モデルはなぜかネットで販売しないという、少し「不可解」な対応だ。

予約のために行列も「長すぎて断念」

Wi-Fi+3Gモデルは、予約するにも行列に並ぶ必要がある
Wi-Fi+3Gモデルは、予約するにも行列に並ぶ必要がある

   「iPad」の日本発売日が正式に発表されたのは、米国時間2010年5月7日。日本や英国、カナダなど9か国で5月10日から予約受付を開始し、5月28日に発売とアップルのウェブサイトで明らかにされた。

   今回発売されるiPadは、Wi-FiモデルとWi-Fi+3Gモデルの2種類。Wi-Fiモデルは、無線LANに接続できない場所ではインターネットにつながらない。一方Wi-Fi+3Gモデルは、無線LAN環境がなくても3G携帯電話ネットワークにつながる場所であれば、ネット接続も可能だ。

   アップルのオンライン販売サイト「アップルストア」でも10日、予約受付を開始した。ところが日本の場合、ネットで申し込みができるのはWi-Fiモデルのみ。Wi-Fi+3Gモデルはオンライン予約・販売を受け付けず、「直営店のApple Storeまたは通信事業者で販売いたします」との注意書きがある。

   このためか、10日は朝からアップル直営店や家電量販店、さらに日本国内の販売契約を結んだソフトバンクモバイルの店舗に、予約申込者が列を作った。ミニブログ「ツイッター」には、その様子が綴られている。受付開始時間の午前10時ごろには、東京・銀座のアップル直営店に100人ほどが並んでいるとの投稿があり、正午過ぎには、昼休みを利用して予約に訪れた人が増えたのか、

「昼休みにipad予約しようとビックカメラ来たけど列長すぎで断念」
「新宿ヨドバシなう。iPadの予約で行列が出来てる」

といった書き込みが見られた。

理由についてアップルは「コメントなし」

   一方でツイッターには、オンラインで申し込めるWi-Fiモデルを予約した人も投稿しており、「今朝予約してみたら、アップルストアがあまりにもスムーズで驚き」とあった。オンライン予約にも殺到すると思いきや、意外にもあっさりと手続きが完了したようだ。

   しかし、なぜWi-Fi+3Gモデルはネット予約ができないのだろうか。既に販売中の米国はもちろん、日本と同じく10日に発売となる英国や豪州のアップルのオンラインストアでは、Wi-Fi+3Gモデルも予約を受け付けている。

   アップルジャパンに理由を問い合わせると、「オンライン販売しないことについてはコメントできない」という。同じアップルでも欧米ではネット購入できる国があることを尋ねても、コメントなしの一点張りで具体的な説明を聞くことはできなかった。ソフトバンクモバイルにも取材したが、アップルの商品についてコメントする立場にないとのことだった。

   携帯電話の場合、通信事業者は「携帯電話不正利用防止法」に基づいて契約者の本人確認を行う義務がある。だが、例えば「アイフォーン(iPhone)」はソフトバンクモバイルのウェブサイトを経由して購入を申し込める。仮にiPadの申し込み時に本人確認を求められるとしても、アイフォーン同様に店に出向かずしてオンラインで処理できるはずだ。

   ともあれ、今のところ我慢して行列に並び、予約するしか方法はなさそうだ。