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三宅議員、Tシャツ会社に販売停止求める 「当たり屋」表現は「事実無根」

   「当たり屋MIYAKE」とプリントされたTシャツを販売している「ClubT」に、民主党の三宅雪子衆院議員から販売停止を求める内容証明が送られていたことがわかった。Tシャツが、国会で転倒した三宅議員について、自分から転倒したと表現しているとし、「事実無根の中傷」にあたるとしているという。

   三宅議員は2010年5月12日の内閣委員会での採決中に転倒し負傷。三宅議員は「背後から不意に押されて前のめりに倒れた」と主張し、民主党は「加害者」として自民党の甘利明衆院議員への懲罰動議を提出した。

「某三宅さんから、、、僕も三宅なのですが」

   一方甘利議員は「突然、私の視野の外から三宅議員がダイビングをするかのように前に倒れこんできた」と説明。ネットでも検証動画がアップされるなど注目を集め、「自分から倒れてるじゃん!」といった三宅議員に批判的な書き込みが寄せられていた。

   こうした状況下で、オリジナルTシャツの販売を行っている「ClubT」が5月中旬、三宅議員をネタにしたTシャツを発売した。2ちゃんねるに書き込まれた三宅議員をモチーフにしたAA(アスキーアート)「Lzo」や、「当たり屋MIYAKE」という文字がプリントされたTシャツで、「なんでもかんでもTシャツになってるww」などと話題を呼んだ。

   しかし6月21日、同社の三宅朝広代表がツイッターに

「某三宅○子さんから 『当たり屋MIYAKE』Tシャツの販売停止の内容証明がとどいた。当たり屋MIAYKEだけで当人を特定するものらしい。僕も三宅なのですが」

と投稿。販売停止を求める内容証明が届いたことを明らかにしている。

「公人皮肉るの禁止、行き過ぎでは」

   三宅代表によると、内容証明は21日、三宅議員の弁護士から届いた。「当たり屋MIYAKE」Tシャツには、商品説明にも「演技の下手な当たり屋、三宅さん」と記載されている。三宅議員側からの内容証明では、これらが、三宅議員が自分から転倒したという表現内容だとし、「事実無根の中傷です」と主張。販売停止とサイト掲載の停止を求め、一週間以内に対応しない場合は、「法的手段をとる所存です」としているという。

   これを受け、「ClubT」は該当するTシャツの販売と掲載を即日一旦停止した。Tシャツのデザインは社内ではなく、一般ユーザーが手がけたものだったので、デザインした人に迷惑がかかる可能性を考慮したという。また、三宅議員をネタにしたTシャツは他にもあるが、そちらは引き続き販売している。

   三宅代表は、

「今後の対応はまだ検討中です。Tシャツには『当たり屋MIYAKE』と書いてあるだけ。『雪子』とも書いていませんし、だとすると『三宅』と書いてあるTシャツは全部ダメということになってしまう。そうなってくると、私も(名字が)三宅ですし、困ります」

と話す。同社ではこれまでにも鳩山由紀夫前首相の「ルーピー」Tシャツなど、政治家をネタにしたTシャツを数多く販売してきた。政治家から抗議されるのは今回が初めて。2ちゃんねるでは、今回内容証明が送られてきたことについて「言論統制だ」といった書き込みが寄せられているが、三宅代表は、

「Tシャツもメディアの1つ。公人である政治家を皮肉るのを禁止にするのは行き過ぎではないかと思います」

と話している。

   J-CASTニュースは三宅議員の事務所にも取材を申し込んだが、「本人がつかまらない。連絡つき次第確認する」(三宅議員の秘書)とのことだった。