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素質も努力も韓国アイドルが上 「少女時代」「KARA」が日本席巻

   元「モーニング娘。」メンバーの安倍なつみさんが、日本のアイドルグループは自分が「モー娘。」だった頃に比べ「厳しいレッスンをしていない」と批判した。それと対照的に韓国のアイドルは頑張っている、と持ち上げた。韓国の「少女時代」や「KARA」が日本に進出し、日本の音楽市場を席巻しそうな勢いだが、それも練習量の差のせいだといいたいのだろうか。

   安倍さんが語ったのは音楽情報サイト「ホットエキスプレス・ミュージックマガジン」の2010年9月15日付けインタビュー。「今年は日本のアイドルグループが凄まじい盛り上がりになっているが、安倍さんのデビュー当時と比べてどう思うか」という質問に答えたものだ。

「モー娘。」にいた頃よりアイドルはレッスンをしない

   現在活躍しているアイドルグループについて、

「ウチらがモーニング娘。をやっていた頃よりは厳しくないんだろうなって、すごく思うんですよ。私たちは信じられないくらいみっちりと過酷なレッスンがあたりまえのようにありましたからね」

と語った。今のアイドルグループは「楽しい感じ」や「跳ねてる感じ」しかしないが、韓国のアイドルグループは見ただけで「相当厳しくやってる」ことが分かる、というのだ。

   アイドルグループは全員で歌って踊ることが最大の見せ場。なのに、安倍さんが在籍していた頃に比べと、最近は甘くなったのか。

   このインタビューについてネットでは「AKB48は厳しいレッスンをしている!」といった批判も出ている。中には、

「日本人が作品に求めるのは完成度じゃなくて遊び心。適当に楽しくやるのがいいんだよ」

という意見もある。

サムソンが日本メーカーを圧倒したのと同じ構造

   朝鮮日報は「少女時代」や「KARA」が日本に進出し、大活躍している様子を連日のように伝えている。2010年9月12日の同紙電子版には日本と韓国のアイドルグループの分析が掲載された。

   韓国のグループがダンスや歌の実力で日本を上回っているのは、デビューまで3年から6年、レッスン期間を設けるためで、日本の6カ月から1年程度を遙かに上回っている、としている。また、「AKB48」のように、まずはデビューさせ、ステージで「実戦」を重ねさせるなど、日本の芸能プロダクションは、「誰でもアイドルになれる」というのが一般的で、これが実力差が出る原因だと分析した。

   芸能評論家の肥留間正明さんは、日本のアイドルグループが厳しいレッスンをしていない、というのは誤りだと指摘する。ただし、「少女時代」を見ると、「日本のアイドルは何をやっているのか」とレベルの違いを感じてしまうのは仕方のないことだ、と打ち明ける。同じレッスンを受けたとしても、素質の違い、目標、ハングリー精神で結果は自ずと出てしまう、というのだ。

「日本の場合、アイドルを粗製濫造し、何かのオプションを付けて売り出すが、韓国は芸能を振興する国策もあり、大勢の中からずば抜けた才能を選りすぐる」

   「韓流」の第一の黒船がペ・ヨンジュンとすれば、第二は「東方神起」、そして第三は「少女時代」。共通するのは日本の芸能人に比べ大柄で、才能に恵まれ、努力もし、学歴も高い。韓国のサムソンが家電でパナソニックやソニーを大きく引き離したような現象が芸能界でも起きつつある。

「韓国だけでなく中国からも日本進出が始まり、このままでは日本の芸能界は浸食されてしまう。日本も他国を見習い、迎え撃つと共に、渡辺謙のように世界に通用する人材の育成を早急に図らなければならない」

   比留間さんはこう訴えている。