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強制起訴に揺れる小沢ガールズ 旗幟鮮明は三宅雪子議員だけ?

   小沢ガールズに民主党代表選につぐ第2の「踏み絵」が突きつけられた。小沢一郎・元幹事長の強制起訴が決まったからだ。野党だけでなく民主党内からも小沢氏への離党勧告を口にする議員が出る中、小沢ガールズはどう対応するのだろうか。

   「一貫して小沢さんの無罪を信じている」「淡々と冷静に事実を受け止め、ぶれることなく、小沢さんを信じています」。検察審査会の「起訴議決」が公表された2010年10月4日の夜、三宅雪子衆院議員(元テレビ局記者)は、インターネットのツイッター(Twitter)でこう高らかにつぶやいた。三宅議員は、国会での転倒・松葉杖騒動で話題になったことでも知られる。

田中美絵子衆院議員「推移を見守りたい」

どうする小沢ガールズ、どうなる民主党
どうする小沢ガールズ、どうなる民主党

   「『小沢チルドレン』と呼ばれる民主党1回生議員の口は一様に重かった」(産経新聞)、「党代表選で小沢氏を支持した新人議員も口が重い」(朝日新聞)などと10月5日付朝刊各紙が伝えており、三宅議員の発言は、現段階では小沢ガールズの中にあって突出した支援表明だ。

   10年9月にあった党代表選で小沢氏支持を明確にした小沢ガールズのうち、数人の著名議員の事務所にも10月5日に聞いてみた。田中美絵子衆院議員(元国会議員秘書)の事務所は、「推移を見守りたい」との本人コメントを明らかにした。田中議員は、元コスプレ風俗ライターなど異色の経験で話題を呼んだ。谷亮子参院議員(柔道五輪金メダリスト)の事務所は「特に(コメントは)出しておりません」と回答した。

   代表選終盤になって小沢氏支持を表明した福田衣里子衆院議員(元・薬害肝炎訴訟九州原告団代表)の事務所では、「議員本人からのコメントは聞いていない」とのことだった。10月5日付の朝日新聞朝刊などによると、福田議員は記者らに「事実関係をよく聞いていないので、何とも言えないと思います」と答えている。

   また、代表選の最中に週刊新潮・文春両誌に小沢氏や小沢氏秘書とのW不倫疑惑が報じられた青木愛衆院議員(2期目、元参院議員・元タレント)の事務所にコメントを確認しようとしたところ、電話に出た男性が「電話での取材には答えていません」とファクスでの質問を要求した。

一方的に電話を切った青木愛議員事務所

   しかし、上述の週刊誌不倫報道の直後にJ-CASTニュース記者がファクスで質問したが、約4週間経った今も回答が来ておらず、再度不倫報道に関しての見解も確認したい旨伝えている途中で、「いずれにしても電話での取材は一切答えておりません。ハイハイ」と言って一方的に電話を切ってしまった。産経新聞(5日付朝刊)によると、青木議員の事務所は「特にコメントはありません」としているそうだ。

   一方、代表選の段階で菅直人首相を支持した「元」小沢ガールズの反応はどうだろうか。山尾志桜里(しおり)衆院議員(元検事)の事務所では、山尾議員本人が見解を明かした。「一般論として推定無罪の原則があるので、起訴が即、出処進退の問題に必ずしも直結するとは思わない。今回の(小沢氏の)例でも同様です」「(小沢氏)ご本人が刑事手続きに粛々と対応されるべき」と述べた。もっとも、山尾議員は代表選のかなり早い段階で菅首相支持を明確にしており、今回のコメントは元検事として原理原則論を述べただけで、小沢氏を擁護する意図はなさそうだ。

   小沢ガールズから目を転ずると、小沢氏の「生き残り」を巡り、激しい権力闘争が露わになってきている。海江田万里・経済財政担当相が「事実を語れば無罪判決が出ると思う」と小沢氏を擁護したり、森裕子参院議員が「(証拠隠滅などの容疑での検事逮捕を受け)もう少し冷静に調べ直しても良かったのでは」と検審を批判したりしたかと思えば、牧野聖修・国会対策委員長代理(5日に国対委員長に辞表提出、受理)はテレビカメラの前で「自ら身を退くべきだ。できないなら、離党勧告なり除名なり公党としてけじめをつけるべきだ」と「離党」を突きつけている。

   菅首相ら党・政府幹部はまだ特段のコメントはしていないが、検審議決公表直後にあった仙谷由人官房長官の会見の様子を伝えた産経新聞は、「長官は『喜び』を隠さなかった」とその表情を読み取った。一方、一部を除く小沢ガールズは、報道や事務所の対応を見る限りでは「動揺を隠し切れない」ようだ。彼女たちが旗幟を鮮明にする日はまだ先になるのだろうか。