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人気漫画「けいおん!」 「ストーリーも成長もない」のか 

   人気漫画「けいおん!」のファンたちが怒っている。朝日新聞の記事で、「けいおん!」にはストーリーがなく、登場キャラクターも成長しないと指摘されたからだ。

   記事が掲載されたのは2010年10月21日付けの朝日新聞大阪本社版の夕刊。「みんなのマンガ学」というマンガをテーマにしたコーナーで、「文化系部活シリーズ2 けいおん! 『萌えキャラ』ゆるーい日常」という見出しが付いている。

四コマ漫画の基本「起承転結」や「オチ」が重視されていない

   筆者は、京都国際マンガミュージアム所属の研究員。「けいおん!」は主人公の女子高生・唯が、同級生3人と一緒にバンド活動をする様子を描いた4コマ漫画と紹介。描かれているのは「フツウの女子高生のゆるーい日常」が中心で、ライブの高揚感などを描いた他の「音楽マンガ」とは違うとしている。

   また、四コマ漫画の基本「起承転結」や「オチ」が重視されていないうえ、ストーリーもないため「登場人物たちが成長しない」と指摘する。

   記事は「オチも成長もない日常をユートピア的に描いた本作は、ブログやツイッターといったメディアを介し、他人の何でもない日々とゆるやかにつながりたい、と思う現代人の志向にぴったりなのかもしれない」と結んでいる。

   人気漫画を社会的背景と絡めて批評した記事だが、21日夕方、その内容が2ちゃんねるに貼り出され、注目を集めた。

「これはひどい 成長も変化もあるだろうが」

   2ちゃんねるの「けいおん!」ファンには「ストーリーも成長もない」という表現が気にいらないようだ。

「ストーリーがないってのは1万歩譲ってまぁわかるけど 成長が無いってのは無いわ」
「これはひどい 成長も変化もあるだろうが」「これは見事な酷評…」

といった反論が殺到した。

   「こんな浅薄な理解力でマンガ研究員を名乗れるの?」という、記事を書いた研究員批判も出た。ちょっとした批評記事から騒動となってしまった訳だが、ITジャーナリストの井上トシユキさんは、「2ちゃんねるでは目の敵にされている朝日新聞に書かれたということも大きい」と見る。

「自分たちが愛してやまない美少女キャラが登場する『けいおん!』を批判する記事が朝日新聞に載ったということで怒りも倍増しているのでしょう。ネットユーザーは、自分は他人を批判するけど、自分たちや自分の好きなものが批判されるとすぐカチンと来て個人攻撃に走りがち。昔からですけど、そろそろ冷静になってもいいのでは」