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彼氏を自分好みに育てる恋愛ゲーム 「かれぺっと」女性の本能にハマる

   彼氏を自分好みの男性に育成するゲーム「かれぺっと」が人気で、2010年5月から携帯電話向けにサービスを開始したところ、12月まで利用者が30万人を超えた。夢中になっているのは10代、20代の女性。これまで恋愛シミュレーションゲームといえば「ラブプラス」「ときめきメモリアル」などが有名で、どれも男性をターゲットにし、大人気を博した。

   女性が彼氏を育てるゲームに興味を持つことについて、専門家は「異性を愛して育むというのは男性よりも女性の方が本能的に強いため、まさにドンピシャなゲームが登場した」と分析している。

「現実の男性にはないトキメキを感じて欲しい」

   「かれぺっと」は「日本全国の女子に彼氏をプレゼント」というコンセプトで開発された育成シミュレーションサービスで、誰でも無料で利用できる。ゲームの流れはイケメン彼氏との同棲からスタート。携帯電話の画面上で会話をし、キスしたり体を触ったりできる。

   彼氏の性格はクール、王子様、ヘタレ、天然など12種類ありそれをプレイヤーがあらかじめ設定するが、自宅での出来事、デート中のハプニングで、プレイヤーがどう対応するかによって性格が変化する。また、新しい服を買ってあげたり、美容院で髪型を変えてあげたりすることもできる。そんなこんなで、自分好みの彼氏に育て上げる。

   このゲームを運営するアリスマティックによれば、現在の利用者の中心は10代から20代の女性。利用者のターゲットを女性にしたことについて、

「現実に近い恋愛の舞台で、現実にはないトキメキを女性にも感じて欲しかった。現実の男性にはない良さを育成によって引き出してもらいたい」

と説明している。

   男性が恋愛ゲームを楽しむ場合は現実の彼女がいない場合が多く、「ラブプラス」ではゲームのキャラ(彼女)と結婚式を挙げたり、旅館に一緒に宿泊したりした、などと話題になった。実際に彼女が出来ると恋愛ゲームで遊ばなくなる人もいる。「かれぺっと」の場合は、彼氏や夫がいるかいないかは関係なく、女性達は楽しんでいるとアリスマティックは分析している。男性と女性では恋愛ゲームの楽しみ方は違うようだ。

「嵐」「東方神起」を愛で育んできたのは女性だった

   ITジャーナリストの井上トシユキさんは、異性や自分の息子を愛でて育むという行為は女性の方が男性よりも本能的に強いという。これまでそんなゲームが存在しなかったのが不思議なくらいだ、と話す。

   というのも、タレントでいえば嵐や超新星、東方神起なども女性達が見守りスターに育て上げてきた。自分の息子を「こんなメンズに育てたい」と頑張るのも母親。男性も「AKB48」や「モーニング娘。」を応援しスターに育てたが、これは女性が従来からタレントを愛でて育てる行動があって、秋元康さんやつんく♂さんが男性版として応用したことによる成功だったと見ている。恋愛ゲームの楽しみ方も男性と女性では違いがあり、男性の場合はゲームを「攻略」することに重きを置くが、女性は「愛で育む」ことを楽しむ。

   また、女性の場合は妄想力が強いため、妄想と現実を両立させながら暮らすことができる。男性アイドルを追っかけながら良好な夫婦生活を営む女性がいい例であり、彼氏がいても恋愛ゲームで妄想が可能だ。井上さんは「かれぺっと」のようなゲームが今後も人気が続いていくのは間違いないとみている。