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おせち騒動でグルーポン困惑 「2ちゃんに削除依頼していない」

   おせち販売トラブルで、共同購入型クーポンのサイト「グルーポン」が業務妨害などを理由に2ちゃんねるの「サイトごとの削除」をも依頼――。こんなスレッドが2ちゃんに立ったが、グルーポン側は「削除依頼は一切していない」として、嫌がらせともみられる書き込みに困惑している。

   横浜のレストラン「バードカフェ」がグルーポンで販売したおせち料理は、「中身がスカスカ」「食品に傷みがある」などとネット上で騒ぎになり、2ちゃんねるでは、100スレッド以上も乱立して祭り状態になっている。

苦情などは約300件も殺到

削除依頼をグルーポンは否定
削除依頼をグルーポンは否定

   この騒ぎの中で、2011年1月4日夕には、「著しい業務妨害、風評被害」を訴えたとして、2ちゃんに「削除依頼」が出された。そこでは、おせちトラブルについての3つのスレが挙げられ、次のような文面まであったのだ。

「悪質な犯罪掲示板として当該スレッドの削除及び『2ちゃんねる』のサイトごとの削除を依頼します」

   依頼者は、「グルーポン相談役」とあった。3つのスレを見ると、確かに、グルーポンを犯罪者扱いしたり、役員を実名で糾弾したりする書き込みがある。ただ、「相談役」のメールアドレスが会社のものではなく、フリーメールになっており、文面の過激さからも「釣り」や「なりすまし」を指摘する書き込みがあった。

   社員が個人的に書き込んだ可能性もあるが、グルーポン・ジャパンの広報担当者は、取材に対し、こう説明する。

「削除依頼については、一切しておりません。私たちでないことは間違いないです。ご迷惑をかけたおせち料理のご購入者や不安になっておられる会員の皆さまを優先して対応しています」

   この件の問い合わせがいくつかあって困惑しているというが、削除依頼書き込みへの対応についてはすぐに考えていないという。

   この騒ぎで、同社には、おせちの遅配や見本との違いについての問い合わせや苦情がこれまでに約300件も寄せられている。

500セット販売や定価の半額に無理?

   グルーポン・ジャパンの広報担当者は、苦情殺到について、「バードカフェと連絡が取れないからとの理由が多い」と説明する。

   しかし、おせちの遅配やお粗末な内容は、バードカフェの商品やサービスに主因があるとはいえ、ネット上では、500セットという販売数の設定や、定価2万1000円の半額で売ろうとすることにクーポンサイトの無理が出ている、との声が根強い。そもそも定価を過大に設定することもあるのでは、との疑問もあった。

   グルーポン・ジャパンでは、販売数設定については、こう釈明する。

「500セットの販売は、店舗と協議して決めたことです。店舗側が『問題なく販売できる』と言ったので、信用して販売しました。なぜ間に合わなかったのかについては問い合わせしており、現在確認中です。今後は、店舗の審査基準を強化して再発防止に努め、安心なサービスを提供できるようにしていきます」

   また、定価の問題については、次のように言う。

「販売だけで利益を得るのか、PRにかける販促費とみなすのか、店舗ごとに考えがあるはず。それによって、かけるコストが違うと思います。定価を吊り上げて割り引きするというのは、一切していません。しかし、こうした点につきましても、審査基準を強化して、今後厳重に確認したいと考えています」

   なお、この問題では、京都のそば店「甚兵衛」において、通常5000円のところグルーポンで2500円と売り出された「焼物・天ざる 蕎麦麩の湯葉あんかけなど全7品+デザート」が、ぐるなびのサイトにあった2500円の「ミニ蕎麦会席」と酷似しているとネット上で指摘があった。

   これについて、グルーポンの広報担当者は、「写真自体は、確かに2500円の商品のものを使用していますが、店頭では、それとは内容が違う5000円のものを提供しています。5000円の写真が手元にないというので、店舗と協議して、イメージ写真として使いました。しかし、混乱させるのでふさわしくなかったと考えており、今後は誤解を招くことは注意していきたい」と話している。