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3日で4件の強盗被害 すき家ばかり何故狙われるのか

   ゼンショーの運営する大手牛丼チェーン「すき家」での強盗被害が止まらない。2011年に入ってからも、報じられているだけで10件の被害が発生。警察からも防犯体制を強化するよう業務改善要請が出ているが、被害は増えるばかりだ。

   2月22日未明、三重県四日市市の「すき家四日市西日野店」にナイフを持った男が押し入り、1人で作業をしていたアルバイト男性店員(19)を脅し、レジから約9万円を奪って逃走した。

郊外店舗多く、レジで精算

   翌23日も、栃木県佐野市と神奈川県厚木市で、24日にも同県小田原市のすき家店舗で強盗事件が発生。3日連続という異常事態だ。

   すき家は以前から強盗被害が多いことで有名だ。報道によると、2009年の被害は24件。2010年は倍以上の57件で、吉野家(7件)や松屋(0件)と比較しても明らかに多い。2011年に入ってからは、2月22日から24日にかけて発生した分も含め、既に報道が出ているものだけでも少なくとも10件。一体何故すき家ばかり狙われるのか。

   まず、人通りの少ない郊外の店舗が多く、犯行が目に付きにくい。さらに、カウンター内のレジで精算する店舗が殆どで、強盗犯としてはいちいち店員に券売機を開けさせる必要がないといった理由が考えられる。それに加え、すき家は深夜営業でも、店員が1人だけというケースが非常に多いようだ。

バイト経験者の犯行?

   2011年に入ってから起きた事件だけみても、少なくとも10件中8件が深夜から早朝にかけての犯行で、店員は1人。うち2件はアルバイトの女性店員が1人だけだった。

   ちなみに他のチェーンではどうなっているかというと、松屋を運営する松屋フーズでは、売上によって違うが、防犯を考慮し、深夜帯は出来る限り店員を1人にしないよう各店舗に指導しているという。

   また、すき家を運営するゼンショーの人件費削減方針に原因の1つがあるとする説もある。外食産業に詳しい経済ジャーナリストは、

「すき家ではアルバイトが実質的な店長となることもあるが、時給もそれほど高くないですしボーナスも出ません。そうなってくると店に愛着も湧きませんし、防犯にも意識が行きませんよね。また、バイトがバイトの採用面接をすることもあるようです。もしかしたらバイトが適当に採用を決めたバイトが、ちょっと働いてすぐ店をやめ、その後自分が勝手をよく知るすき家に強盗に入っているのでは、という説も考えられなくもありません」

と話す。

   すき家の連続強盗被害はネットでも話題になっており、2ちゃんねるなどには「また起きたのか」「すき家で深夜バイトしてる俺はまったく笑えない件」といった書き込みが寄せられている。

   愛知県警も既にゼンショーに対し防犯を強化するよう業務改善要請を出しているというが、一体どうなっているのか。J-CASTニュースはゼンショーに防犯体制について取材を申し込んでいるが回答はまだ得られていない。