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自粛ムードに批判の声 本当に「不謹慎」なのか

   コンサートなどの中止が相次ぎ、外食を控えるなどの自粛ムードが広がるなか、このムードを批判する声がネット上を中心に広がっている。だが、これらの意見には、「恥を知れ」といった罵詈雑言が投げつけられるケースもある。

「不謹慎という怪物が、各所で猛威」

   東北関東大震災にともなう計画停電で、繁華街のネオンが消え、人通りも減少。停電中に営業を休止する店舗が続出しているし、AKB48のコンサートや東京国際アニメフェアなどの大型イベントも、節電をするという狙いもあって中止が決まった。

   いわゆるアルファブロガーや、多くのフォロワー(読者)を持つツイッターの利用者からは、こんな状況に異議を唱える声が次々にあがっている。

   例えば、プロデューサーのおちまさと氏は3月14日、「『不謹慎』とは何か」と題した長文の記事をブログに掲載。

「何か目には見えない『不謹慎の地雷』を探り探りしながらの空気感がこの新たな月曜日にはまん延しているような気がした」
「この間の金曜日までは『不謹慎』ではなかった100のことの内98までは『不謹慎』の領域に入っている気がする」

などと訴えた。

   アルファブロガーとして知られる「切込隊長」こと山本一郎さんは、「不謹慎という怪物が、各所で猛威を振るっている模様」というツイッター上の声に対して、

「ほんと、欲しがりません勝つまでは、という感じで」

と返答。戦時下のような雰囲気の異常さを指摘した。

   NHK広報局のアカウントも、

「皆さん長い緊張状態が続いているようで、様々なところでイライラと批判と強い口調の言葉があふれています。だからこそ、このアカウントでは出来るだけ日常的なユルいツイートをしようと決めました。ご批判もあるとは思いますが、ご理解ください」

と宣言している。「そんな姿勢で大丈夫か?」との問いかけにも、

「大丈夫だ、問題ない」

と応じた。

「西麻布でイタリアンだ! いいワインをあけよう!」

   また、堀江貴文さんは、米歌手のシンディ・ローパーさんが東京でのコンサートを予定通り行うことを、

「こういうの最高です。みんな彼女の爪の垢でも煎じて飲むと良い」

と絶賛した。また、

「一番やばいのは東京から人がいなくなって経済が回らなくなる事。自粛ムードで経済を停滞させること。ほんとはどんどん経済回さないといけない。なのに節約自粛だと本当に日本経済がクラッシュする。放射能よりも怖いのはそっちだ」

と自粛ムードが経済に与える影響について指摘した。同様の指摘は、ライブドアの「ブロゴス(BLOGOS)」などでも散見される。

   あえて夕食を奮発したのは、ITジャーナリストの佐々木俊尚さん。ツイッターで

「まあ私は今後も不謹慎なことを言い続けます。これから青山に出かけてブラブラ散歩して、そのあと西麻布でイタリアンだ! いいワインをあけよう!」

と宣言したものの、この後の佐々木さんのツイートをたどっていくと、

「物凄い非難の嵐が不謹慎ディナー宣言に。まあ気にしないことにしよう。生きてる世界観が違うのだろう」
「なんか古い友人まで非難してきた。ブロック。もう友人関係は終わりにさせてもらいます」

と、かなりの罵詈雑言が寄せられた模様で、おち氏が言うところの「不謹慎の地雷」は、様々なところに埋まっている様子だ。