東北関東大震災は多数の被災者を生んだが、そうした被災者に飼われていたペットたちはどうしているのだろうか。命を落としたペットも多いはず。ただ、ここで問題にしたいのは、運良く、飼い主らとともに助かったペットたちの処遇だ。
避難所がペット不可の場合があるうえ、いま建設が進んでいる仮設住宅もペット禁止だったりする。せめて、ペットとは一緒にいたいという飼い主の願いは、必ずしも叶うものではない。
公益社団法人日本愛玩動物協会では、「動物の一時預かり」ボランティアを紹介している。動物の一時預かりとは、災害に見舞われ飼えなくなった動物を一時的にボランティアの家庭で預かってもらうという仕組みだ。同協会では動物を預かるボランティアを募集していて、希望者はホームページ上からさまざまな条件を入力して申請することで登録できる。
同協会が動物ボランティアに登録している人たちのなかから条件に見合う人を選定して仲介をする。「動物も命のあるものですので、受け入れ先の条件は細かいところまで確認します。誰でもよいというわけではありません」と話す同協会の山崎さんは、さらにこう続ける。「最終的に、元の飼い主による飼育継続が困難になった場合、(ボランティアの飼い主が)完全に引き取るか、新しい飼い主が見つかるまで責任をもって預かるだけの覚悟も必要です」
ちなみに、被災地で保護された飼い主の見つからない動物をボランティアに預けるということはないそうだ。
動物の一時預かりは、まだボランティアに声かけを始めたところで、今のところ、緊急措置として、日本獣医師会の動物病院が引き受けているという。それでも預かれる数には限りがあるうえ、継続的に面倒を見ていくことには無理があるため、「動物一時預かり」ボランティアへの移行が急務となっている。
同協会では、動物一時預かりのほか、動物や物資の輸送・運搬のボランティア、被災した飼い主や動物を支援する義援金の募集もしている。
http://www.jpc.or.jp/tohokukanto-daishinsai.html