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「揺れた後に来た」「肝心なときに鳴らない」 携帯の緊急地震速報アラーム

   東日本大震災後、余震のたびに携帯電話の緊急地震速報が鳴る。しかし、「揺れが来てから速報が来た」「肝心なときに鳴らなかった」といった声もある。一体どうなっているのか。

   緊急地震速報は、震源近くで発生した初期微動を感知し、そこから想定される揺れの大きさや位置を、強い揺れが始まる数秒から数十秒前に伝えるというもの。気象庁が配信している。

震源が近いと間に合わないことも

   携帯電話の緊急地震速報は、気象庁が配信した速報を、各キャリアの設備を通して該当エリアの携帯電話に伝える。初期微動で最大震度5弱と推定されると強い揺れ(震度4以上)が想定されるエリアに送信され、アラーム音とともにメッセージが届く。

   全ての機種に対応している訳ではないが、NTTドコモでは07年冬以降に発売した機種、KDDIのauでは08年春以降に発売された機種の大部分で対応。ソフトバンクは現在1種にしか対応してない。どのキャリアも購入時に設定してあるものと、そうでないものがある。スマートフォンについては、大部分の機種が対応していないのが現状だ。

   大きな揺れが発生する前にアラームが鳴ってくれるといいのだが、「地震から数十秒遅れてきた」という指摘が出ている。気象庁によると、震源が内陸部などの近い点にあると、初期微動から大きく揺れが来るまで間に合わないことがあるという。

メールの送受信後に注意

   ネットには「他の人の携帯は鳴ったのに、自分のは鳴らなかった」という報告もあった。

   ドコモでは、音声通話中やパケット通信中は緊急地震速報が届かない。見落としがちなのがメールの送受信で、メールを送受信した際、ボタンを押さないでそのままにしておくと、数十秒間にわたって画面上の「iモード」マークが点滅したままになる。同社によると、その間も緊急地震速報が届かないのだそうだ。その場合、再受信もできない。

   気象庁は2011年3月29日に、東日本大震災後から同日までに出した緊急地震速報45回のうち、30回は強い揺れがない地域にも配信するなど不適切だったと発表している。小規模な地震が同時に複数発生した場合など、精確な予測が難しくなる。4月12日朝に千葉県で震度5弱を観測した余震も、速報では、福島で震度6以上と予測していたという。担当者は「技術的に足りないところがあり、外れてしまった。明日明後日によくなるものではないが、プログラムの改善などを行っている」と話している。

   ちなみに、「ギュイッギュイッギュイッ」というアラーム音。ドコモ、au、ソフトバンク3社とも同じ音を使っていて、ネットでは「恐怖を感じる」といった声が挙がっているが、ドコモの広報担当者によると、「避難しなければいけないと伝えるものなので、緊急地震速報の音として音源を統一しました。明るい爽やかな音もどうかと思いますし、雑音が激しいところでも聴き取れるよう、ああいう音になっています」ということだった。