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4号機プール水漏れか 「工程表」への影響懸念

   福島第1原発事故で、4号機の使用済み核燃料プールから水が漏れている可能性が新たに指摘された。東京電力が示している「収束まで6~9か月」とする工程表がさらにずれ込むのではないか、との懸念も出ている。

   経済産業省の原子力安全・保安院と東京電力は2011年4月26日、4号機の使用済み核燃料プールについて、水漏れを起こしている可能性があるとの見方を示した。燃料を冷やすため、ここ数日では建屋外側からプールに1日200トン前後の注水を行っているが、水位が想定ほど上がらないのだという。推定蒸発量以上の水がプールから外部へ出ていることになる。原因を調べている。

建屋地下で汚染水発見

   4号機プールには、1~6号機中最多の約1300本の使用済み核燃料があり、使い終えていない核燃料を含め計約1500本が保管されている。大地震発生時には定期検査のため停止中で、圧力容器内には燃料棒は入っていなかった。

   4号機の原子炉建屋は、屋根や上部の壁が大破している。3月15日に爆発音が聞こえ、火災も起きた。水素爆発ではないかとみられている。プールはむき出しになっている形だ。

   4号機プールの核燃料の状態については、「プールの水の分析により、大部分の燃料が健全であることを確認」(東電、4月17日発表の工程表)とされているが、学者らからは燃料の損傷が進んでいるのでは、と疑問の声も出ている。4月18日には、4号機の原子炉建屋地下に深さ5メートルの汚染水がたまっていると公表された。

「新たな作業必要」と指摘も

   東電の事故収束に向けた工程表上は、4号機については、「ステップ1」(3か月程度)として、「プール底部に支持構造物を設置」となっている。耐震強度を補強するためだ。また4号機を含む燃料プール全体としては、「ステップ2」(3~6か月程度)で「熱交換機の設置による冷却」、「中期的課題」(ステップ2以降)で「燃料の取り出し」と書いている。

   4号機プール水漏れ問題の工程表作業への影響について、4月27日付朝刊の毎日新聞は、「今後、新たな作業が必要になり、事故収束に向けた工程表に影響する恐れがある」と指摘している。