2024年 4月 25日 (木)

杜の都は立ち上がる【宮城・仙台発】

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世界が仙台を待っている(一部機能を回復した仙台港)
世界が仙台を待っている(一部機能を回復した仙台港)

   奈良時代から「東北のゲートウェイ」として漁業や海上交通の要諦を担ってきた仙台港を4月最終週に訪れた。トラックも人影もまばらで、大量の瓦礫に覆われたこの地が重要港湾であるとは容易に理解しづらいが、4月16日には震災後初めて自動車が出荷されるなど、ゆっくりだが着実に雄姿を取り戻しつつある。

   仙台市内の小中学校は4月20日頃から授業を再開した。連休明けには東北大学の新学期も始まる。道路を行き交う車の数も多い。25日には東北新幹線も運転を再開した。ベガルタとゴールデンイーグルスも躍動を再開した。

   一方で、「まだ被害の全体像がつかめず先行きへの不安が大きい」と市民らは語る。震災直後、10万5,000人(仙台市人口104万人の実に1割)にも及んだ避難所での生活者は着実に減ってきたとはいえ、いまもまだ2,000名ほどが避難所に残る。海に近い地区に行くと、海水に浸かった田畑、人の気配のない工場や住居、倒れた電信柱、ひび割れた道路、横転したまま川に沈んでいる車などが目に入る。今後の地域経済への影響は計り知れない。そして、あの日以来、行方がつかめない人たちがいる。東北最大の都市の復興への道のりは緩やかではない。

   だが、内外の誰もが、この地が病臥し続けることを許さない。これまでの1ヵ月半の間に、仙台に縁を持つか否かにかかわらず、非常に多くのボランティアがこの地に入っている。他の政令指定都市や中央省庁からも大量の職員が応援に駆けつけている。地元の市民、事業者、公務員は連休を返上で町の復興に尽力している。「杜の都」ならぬ「盛の都」。誰もが仙台そして東日本を盛り上げるために時間と汗と知恵を供出している。

   結論に代えて、杜の都の「緑の名所100選」のウェブサイトを紹介する。被災に耐えた観光地を、ぜひ旅行先として検討しよう。

http://www.city.sendai.jp/kensetsu/ryokka/midori100/

間中健介(NPO法人小児がん治療開発サポート 理事)



間中健介
1975年生まれ。中央大学ビジネススクール3期生。米系コンサルティング会社スタッフ、衆議院議員秘書、2005年「愛・地球博(愛知万博)」広報スタッフ、地球温暖化防止国民運動「チーム・マイナス6%」運営事務局勤務などを経て、NPO法人小児がん治療開発サポートの運営に参画。
URL http://www.nposuccess.jp/

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