J-CAST ニュース ビジネス & メディアウォッチ
閉じる

新しいソーダ割り「リッキー」 ハイボールに続くヒットになるか

   ウイスキーのソーダ割り「ハイボール」が2009年にヒットして以降、リキュールやスピリッツといった酒をソーダで割る飲み方にも人気が集まる。ハイボールに続くヒットとなるか。

   女優の小雪さんが艶っぽく作り方を紹介する動画が人気を集め、ハイボールは2009年のヒット番付にも登場した。ウイスキーを炭酸水で割ったあと、レモンを加える飲み方で、若い人の間ではビールに代わろうかという勢いだ。

「豊富なバリエーションでおかわりする人も多い」

さまざまな味で楽しめる「リッキー」
さまざまな味で楽しめる「リッキー」

   ハイボールは、日本ではウイスキーのソーダ割りを指すことが多いが、広い意味では蒸留酒(スピリッツ)を炭酸飲料で割るカクテルの一種。ハイボールのヒットから、ソーダで割る飲み方は、以前にも増して定着しつつあるようだ。あるダイニングバーによると、ソーダ割りを注文する客は「実感として増えていると思う」。

   そうした中、サントリーは2011年春ごろから、リキュール(ルジェ カシス、マリブ、アペロールなど)やスピリッツをソーダで割って氷を入れ、厚めのレモンをつぶしながらの飲み方を「リッキー」と呼んで提案してきた。リキュールのほのかな甘み、ソーダのそう快感があるのが特長だ。webサイトでも「ルジェ カシス リッキー」、「マリブ コーラ リッキー」、「アペロール リッキー」などの作り方を紹介。専用のマグやレモンをつぶすスティックも開発した。

   前出のダイニングバーでも、「リッキー」の注文客が増えているようで、担当者は「カクテルは一般的に『デザートカクテル』のようにシメとして飲まれることが多いが、リッキーはビールやサワーの代わりとして1杯目から飲まれている。主に20代女性から支持されている。豊富なバリエーションでおかわりする人も多い」と言う。

   ソーダで割る飲み方は、他社も提案している。キリンはwebサイトで、「ハイボールに、もっと自由を」として、炭酸で酒を割る、さまざまな飲み方を紹介。ウイスキーの代わりにアンズやライチなど果実酒、ワイン、焼酎などで割れば、甘かったり、さわやかだったりとハイボールとは違った味になる。また、合同酒精(東京都中央区)は2011年5月24日から、しそ焼酎「鍛高譚(たんたかたん)」をソーダで割り、レモンとスピリッツ、甘みを加えた「鍛高譚のソーダ割り」(350ml缶)を販売している。

甘い中にもそう快感のある酒が支持される

   ネット上で、こうしたリキュールやスピリッツのソーダ割りの評判はどうだろうか。

   「いろんなものを飲みたいんだけど、甘いカクテルはお腹にたまるのよね(中略)そんな人にぜひ」「ハイボールが好きな方は絶対お好みかと」「甘くなくてスッキリしているので、夏の一杯目のカクテルとしていい」などが代表的なものだ。

   サントリーは、「若い女性はビールが苦手で、カクテルをはじめとした甘い酒を好む傾向がある」と指摘。そのうえで、ハイボールのヒットから、ただ甘いだけでなく、甘い中にもそう快感のある酒が支持されてきたという。すっきり飲めて、食事にも合わせやすいリッキーに、目新しさを感じているようだ。

   なお、リキュールやスピリッツについて、国税局の発表している酒類課税数量の推移(国税局分)を見ると、右肩あがりに伸びている。「リキュール」は04年に71万1000キロリットルだったのが、09年に157万5000キロリットル。「スピリッツ」は7万3000キロリットル(04年)だったのが、25万6000キロリットル(09年)だ。サントリーの場合も、2011年4月から6月の輸入リキュールの家庭用(スーパー・酒量販店)の販売見込が前年比107%、2011年の6月までで飲食店でのリッキーの取り扱い店舗が6000店を越えるなど好調で、担当者は「消費者のアルコール嗜好性が多様化しており、ビール以外のアルコールへの関心が高まっている表れではないか」と話す。