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復興相「サングラス」会見のナゾ 無礼なのか濡れ衣なのか

   松本龍・復興相(60)が就任会見時に「サングラス」をかけたことが話題となっている。野党の間では「会見の場にふさわしくない」と問題視する声があがる一方、「あれは色つき老眼鏡であってサングラスではないのでは」と指摘する声もある。

   自民、公明両党の幹事長や国会対策委員長らは、2011年6月29日の会談で、松本大臣による28日の会見の言動が不適切だとして、国会で松本大臣を追及する方針を確認した。「(大震災発生の)3月11日以来、民主党も自民党も公明党も嫌いだ」と発言したことと、途中で「サングラス」をかけたことついて「問題だ」とする声が挙がった。

「まぶしいのに弱い」

菅首相の任命責任を問う声も。
菅首相の任命責任を問う声も。

   テレビでも取り上げられた。6月30日放送の情報番組「みのもんたの朝ズバッ!」(TBS系)で、司会のみのもんたさんは、「日本人でサングラス似合う人は結構少ない」と松本大臣を暗に冷やかした。女優の萬田久子さんは「目がお疲れだったのかも」とかばっていた。

   「ニュースで(サングラスをかける)映像を見て、おやっとは思いましたね」。復興相就任まで環境相兼防災担当大臣だった松本氏を知る複数の省庁の関係者らはこう口をそろえた。大臣が会見で「サングラス」をかけるのは、霞ヶ関でも目を引く行為だったようだ。

   松本氏は、2010年9月の入閣時と11年1月の内閣改造時にも会見を開いているが、この際には「サングラス」も眼鏡もかけていない。

   とはいえ、省庁関係者らによると、松本氏が外出時に「サングラス」をかける姿はたまに見かけていたそうだ。「まぶしいのに弱い」ようで、部屋の電気を暗くしたり、場合によっては消したまま仕事をしたりすることもあったという。「会見のときの撮影フラッシュなどがまぶしかったのかもしれませんね」とみる向きもあった。

   松本氏の事務所関係者に話をきくと、松本氏は「目が強くない」という。日頃から地元の福岡から「特別の目薬」を取り寄せている。大震災発生以降は防災担当大臣として多忙な日程を送り、「ここ最近は目の充血が目立つようになっていた」。涙目になることも少なくないそうで、テレビカメラ用のライトなどが気になり、「サングラス」で目をかばったのではないかと推測している。

   普段は眼鏡をかけていないが、文字を読む際は老眼鏡をかけることもある。外に出るときにはたまに「サングラス」をかけている。「本人に聞いたことはないが、おしゃれのためではなく目の保護が目的だと思っている」。「サングラス」に度が入っているのかどうかは知らないそうだ。

「格好付けたくなったのか」

   「松本大臣が会見でかけたものは、いわゆるサングラスではないかもしれませんね」。眼鏡業界大手のある営業関係者は、次のような見立てを披露した。

   はっきりとした基準はないが、レンズの色の濃さが25%以上のものをサングラスと呼び、それ未満のものは「カラーレンズ」「色つき眼鏡」とするのが「しっくりくる」という。

   かけている人の目が外から見えないほどの色の濃いサングラスをかけて記者会見に出るのは「おかしい」が、まぶしさなどに不安を感じる人が「色つきの老眼鏡」などをかけて会見するのは「おかしくない」とも話した。

   会見映像をみる限りでは、レンズの色は薄そうだが、老眼鏡なのかどうかは分からない。

   松本氏の福岡高校時代の同級生のある男性は、「ニュースで見たけどあれは老眼鏡だろう」と話した。男性の推測では、松本氏は色つきの老眼鏡と色なしの老眼鏡をもっていて、「間違って」色つき老眼鏡の方をつけてしまったのでは、とみている。

   とはいえ、サングラスと「色つき(老)眼鏡」の区別は明確なものではなく、一般的には「どちらもサングラスだ」という受け止め方をする人の方が多そうだ。インターネットの2ちゃんねるなどでは、松本復興相の「サングラス」会見について、「被災地をなめているのか」との批判や、「突然、格好付けたくなったのか」と疑問の声が多く寄せられている。