J-CAST ニュース ビジネス & メディアウォッチ
閉じる

12~13歳女の子の「ヘビメタアイドル」 「さくら学院 BABYMETAL」に世界が大注目

   アイドルと言えばAKBしかいないという流れに抗するかのように、日本発の「ヘビメタ」アイドルユニットが海外で注目を集めている。動画が数十万回再生されるなど、予想以上の反響にレコード会社も驚いている。

   話題になっているのは、アイドルグループ「さくら学院」の3人組派生ユニット「BABYMETAL」。ヘヴィメタルとアイドルの融合をテーマにしたユニットで、「ド・キ・ド・キ☆モーニング」という楽曲のMV(ミュージックビデオ)が2011年10月にYouTubeで公開された。

「俺はなんてものを見てしまったんだ」「信じられない曲だ」

海外で注目を集めているBABYMETALの3人。左からMOAMETAL、SU-METAL、YUIMETAL
海外で注目を集めているBABYMETALの3人。左からMOAMETAL、SU-METAL、YUIMETAL。

   ツーバスのドラムが強烈なリズムを刻み、ダウンチューニングを施された重低音ギターが鳴り響いている。ヘヴィメタルの中でもかなりモダンなサウンドだ。

   メンバーのSU-METAL(中元すず香さん 13)ら3人も、赤と黒のゴシック調の服を着ていて、全般的にダークな雰囲気なのだが、サビになると一転して、「リンッリンッリンッ!おはようWake up」と、アイドルらしいキャッチーで明るいメロディーに。ここの繋がりが自然なため、ヘヴィなのに可愛いという不思議な楽曲に仕上がっている。12~13歳の女の子が頭を激しく振りながら歌っているというのも極めてユニークだ。

   MVが公開された当初は、日本の一部のアイドルファンが注目しただけだったが、1か月ほど経ってから、海外サイトで話題になり、コメントが大量に寄せられた。

「信じられない曲だ。誰か、私がなんでこの曲を好きなのか説明してください」
「俺はなんてものを見てしまったんだ」「まったく理解できない。でも好きだ」
「リンッリンッリンッ!アアアアアアアア!リンッリンッリンッ!」
「これはスリップノット(米メタルバンド)の新譜のデモ音源だろ」

というもので、日本のアイドルのMVなのに、約1300のコメントのうちほとんどが英語と、奇妙な状態になっている。メンバーの年齢が余りに若いことに驚くコメントもあった。

北米やロシア、スウェーデン、フィンランドで視聴

   12月16日現在約38万回再生されていて、統計情報によると日本以外では北米やロシア、スウェーデン、フィンランドでよく視聴されているようだ。北欧はデスメタルやブラックメタルの盛んな地域として知られているが、本場のメタルファンにも受け入れられたということだろうか。

   さらに、アメリカのメタル情報サイト「Metal Injection」に8日掲載された「2011年に話題になったメタル関連動画 Top15」でも、BABYMETALが9位にランクインした。同サイトでは10月下旬に「日本の人々はとてもクレイジーだ」と、このMVを紹介していた。

   発売元のトイズファクトリーによると、BABYMETALには今回話題になった「ドキ☆モニ」の他に、「イジメ、ダメ、ぜったい」という曲があり、こちらはアップテンポな「メロディック・スピード・メタル」だという。2012年1月9日には新曲が発表される。

   担当者は「メタルに国境は関係ないと思い、フェイスブックにページを作るなど、当初から世界に向けてPRしていましたが、余りの反響に驚いています。来年の動きに注目していただければ」と話している。