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「結婚式離れ」が進んでいる 主要都市は10年前のほぼ半分

   結婚しても結婚式を挙げないカップルが、年々増えている。その背景には、社会や経済の大きな変化があるようだ。

「結婚式・披露宴ってやらないと後悔しますか?」「結婚式を挙げないのは非常識ですか?」…

「お金をかける価値を感じない」

Q&Aへの投稿も盛んだ
Q&Aへの投稿も盛んだ

   ネット上のQ&Aサイトでは、こんな質問が次々にアップされ、ちょっとした議論になっている。

   それを反映するように、統計上でも、結婚式をしないカップルの割合が増えてきた。

   経産省の特定サービス産業動態統計調査によると、全国の主要8都市について、結婚式の件数は、調査を始めた2000年は、約9万件だった。それが、11年には、5万件余と半分近くになっている。結婚した数は、厚労省の人口動態統計によると、2000年の80万組から11年の67万組へと2割弱しか減っていないため、結婚しても式を挙げないカップルの割合が高くなっていることが分かる。

   全国における動向は、最新の2005年をみると、結婚が71万組あったのに対して結婚式は35万件と、半分に留まっている。最近は、さらにこの率が低下している可能性が高いようだ。

   こうした「結婚式離れ」が起きているのは、一体なぜなのか。

   結婚情報サイト「エン・ウエディング」が11年4月に未婚の女性約900人に聞いたアンケート調査によると、式を挙げない理由について、「お金をかける価値を感じない」「あまり目立ったことをしたくないので」という答えが複数回答可で最も多い6割を占めた。そのほかは、「主賓という立場が気恥ずかしい」(4割)「いわゆる結婚式・披露宴が好きではないので」(3割)などの順だった。

終身雇用崩れ、上司呼ぶ意識も薄くなる

   サイトを運営しているエン・ジャパンのウエディング事業部の担当者は、その背景には、社会的・経済的な要因があるとみる。

「最近は、家と家とのつながりの伝統や文化が薄れてきています。また、20~30代の人たちは、この経済状況から所得が下がっており、結婚式に価値を見いだせなくなっているのだと思います」

   これまでは、親が式代の一部150~200万円を負担するケースも多かった。しかし、経済状況から親もそんなに支払えなくなっているという。

   ウエディング事業部の担当者は、終身雇用制度も崩壊しつつあり、これからの付き合いを考えて、式に職場の上司を呼ぶという意識も薄くなっているとする。上司を呼びたくないと、海外の式場で親族や親しい友人だけを呼び寄せることも増えているとしている。

   また、晩婚化に伴い、結婚式を恥ずかしがる人もいるほか、バツイチが増えて2度も式を挙げなくていいと考えるケースもあるらしい。再婚の場合は、ご祝儀をもらいづらいというのも理由だという。

   ただ、担当者は、今どきのカップルは、価値があると考えるものにはお金を使うと指摘する。例えば、写真撮影だけのフォトブライダルや会費の安いカジュアルパーティーだ。こんなパーティーなら、参加者にもご祝儀ほどお金を使ってもらわなくても済むメリットがあるそうだ。