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1、2歳児からiPadで遊ぶ スムーズさに親がビックリ

   「ウチの子、まだ小さいのにiPadが使える」。ネット上でこんな書き込みが見られるようになった。動画投稿サイトを開くと、1、2歳の子が指でアップルのタブレット型端末「iPad」を操作している映像が並ぶ。

   マニュアルなしで、画面に触れたりなぞったりしているうちに「直感的に」操作できるのがiPadの特徴だが、自分の子があまりにもスムーズに使っている姿を見て親がビックリ、というエピソードもあるようだ。

「もっと見せて」とおねだり、取り上げると怒る

小さい子でも触れて覚えられるようだ
小さい子でも触れて覚えられるようだ

   動画サイト「ユーチューブ」では、「1歳4か月」とされる子がiPadを起動させ、指で画面をスライドしてロックを解除し、アプリを立ち上げる動画が見つかった。別の「1歳8か月」の子は、画面上に複数現れた画像からひとつを選んでタッチし、映像を視聴し始めた。

   1歳児で、どこまでiPadを使いこなせるのだろうか。生後15か月の子を持つ母親に聞いてみると、起動ボタンを押し、画面に触れてアプリを開く操作は問題なくこなすが、数字のパスワードを入力するのは無理だと話す。米有名歌手が人気子ども番組「セサミストリート」のキャラクターと一緒に歌う映像を見せているが、歌が終わると「もっと見せて」とおねだりし、iPadを取り上げると怒るそうだ。

   年齢がもう少し上がれば、操作の習熟度はさらに増す。都内に住む男性会社員は、息子が4歳になりたてのころにiPadを購入した。その男性がいじっている様子に興味を持ったので、息子に操作方法を教えたところ「本人の目の前で1度やり方を見せただけで、完璧に覚えてしまいました」と感心したようだ。今では自力でゲームを楽しめるほどだと話す。

   親の立場とすれば、「iPadの使い方を理解するのはいいけれど、遊んでばかりいるようになったら困る」が本音だろう。だがむしろiPadは最近、幼児教育の現場でも強力なツールとして利用されている。

   小学館の幼児教室「ドラキッズ」では2012年1月から、1、2歳児コースでiPadを用いた学習カリキュラムを組んでいる。物語の読み聞かせアプリを用意し、iPadの画面を押すと効果音が出るような仕掛けを施した。「この年齢には、まずは興味を持ってもらいたい」と担当者は話す。全国250教室のうち約20教室で導入し、保護者からの評判も上々だ。2~3歳児向けには「お絵かきアプリ」を使って、鉛筆やクレヨンを持つ代わりに指で画面をなぞりながら絵をかき、色を塗るといった試みも進めている。

周りの子どもを見ながら操作方法を習得

   千葉県松戸市にある「マイキャリアクラス(MCC)」でも、幼児向けの英語学習でiPadを活用する。独自開発したアプリで、表示された絵と英単語を結び付けるような「遊びながら学べる工夫」をしているという。1歳の子は「まだ画面を触ったり、画面を見たりする程度」だが、2歳児になれば、起動からロックの解除までは教えなくても、周りの子どもの動作を見ながら習得するそうだ。アプリの使い方は教えるが、「いじっているうちに、どこをどうすれば動くのかを覚えていくようです」とMCCでは説明する。

   アップル創業者で2011年10月に死去したスティーブ・ジョブズ氏の評伝には、南米コロンビアの酪農家で、文字も読めずコンピューターに触ったことのない6歳の子どもが、初めてiPadを手にしたにもかかわらず、いじっているうちに操作できるようになりピンボールゲームを楽しむまでになった、というくだりがある。日本では、まだ言葉もおぼつかない小さな子たちが、iPadを楽々と使いこなす日がくるかもしれない。