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コブクロ、音楽活動を再開へ 小渕健太郎が難病克服

   活動休止中の人気男性デュオ「コブクロ」は、小渕健太郎さん(35)が難病を克服しつつあり、「近いうちに、きっと良いお知らせができる」と公式サイトで明らかにした。音楽活動を再開する可能性が出てきたようだ。

   小渕健太郎さんが難病を告白したのは、全国ツアー最終日の2011年8月28日のことだった。

小渕健太郎さん「発声トレーニング中」

順調な回復ぶりを報告
順調な回復ぶりを報告

   アンコールを終え、小渕さんはステージ上で涙ぐみながら、約半年のあいだ療養に専念することにファンの理解を求めた。1998年の結成以来、「桜」や「蕾(つぼみ)」などの大ヒット曲を飛ばしてきた彼らだけに、活動休止を知ったファンから大きなどよめきが起きたほどだ。

   病名は、高音パートをこなそうとすると首の筋肉が硬直してしまう運動障害の「発声時頸部ジストニア」だった。小渕さんは、10年末から声の不調を訴え、11年7月上旬に専門医から診断を受けた。事務所などとも話し合って半年ほどの活動休止を決め、ツアー終了後から自宅で投薬による療養生活に入っていた。

   そして、半年ほどが経った12年3月29日、公式サイトで事務所のミノスケオフィスコブクロ社長が病状の経過報告をした。

   それによると、小渕さんは、のどの検査や全身のメディカルチェックを行い、元の声を取り戻すためのトレーニングを続けてきた。現在は、引き続き身体のメンテナンスをしながら、「いよいよ発声を中心とするトレーニングに移行している最中」だというのだ。

   小渕さんは、気分転換も兼ねて、こっそり街中に出たりもしているという。そして、「近いうちに、きっと良いお知らせができるかと思いますので、ファンの皆様には、復帰を楽しみにしていただきながら、もう少しだけご猶予を」などと結んでいる。

   脳の機能障害で筋肉が収縮して体が硬くなるジストニアは、原因がよく分からず治療法も確立されていない難病で、国内で約2万人の患者がいるともされる。そんな中で、果たして、半年ほどで音楽活動ができるほど病状がよくなるものなのか。

専門医「高音の声も出せるようになる」

   ジストニアに詳しい川崎市立多摩病院(神奈川県)の堀内正浩神経内科部長は、小渕健太郎さんの病状について、次のようにみる。

「100%完治することは難しいですが、治療すればある程度よくなると思います。程度によっては、注射が必要になる場合があります。半年で治ることも、それ以上長くかかることもありますが、高音の声も出せるようになるでしょう」

   堀内部長によると、声が詰まってしまう「けいれん性発声障害」の場合は、声帯に問題が出ている可能性が強い。しかし、歌うと首に力が入る「発声時頸部ジストニア」なら、声帯に問題はないと考えられ、けいれん性発声障害に比べて症状は軽いそうだ。

   原因としては、声の使いすぎやストレスなどが挙げられるとしている。コブクロの2人は、結成後の13年間休みなく走り続けてきたというだけに、のどなどへの負担が大きくなっていたのかもしれない。

   ジストニアは、音楽家やスポーツ選手、作家などの著名人にも多いとされる。同じJ-POPでは、米米CLUBのサックス担当だったフラッシュ金子さん(48)が公式サイトで2012年4月4日に「職業性ジストニア」になったと告白して話題になった。震えや痺れからサックスが吹けない金子さんは、5日からの全国ツアーでは、キーボードやボーカルを担当すると明かしている。

   コブクロの小渕さんは、最近はギターだけの「桜」などをレコチョクで配信してヒットさせているが、いつぐらいから声も聞けるようになるのだろうか。

   ミノスケオフィスコブクロに取材すると、担当者が外出中だといい、所属レコード会社のワーナーミュージック・ジャパンでは、「コブクロの公式サイトに出ていることがすべてで、ほかに何も申し上げられません」(プロモーション担当)と言っている。