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高嶋政伸、美元と離婚できるか 弁護士「勝算は五分五分」

   俳優の高嶋政伸さん(45)が妻でモデルの美元(みをん)さん(32)を訴えた離婚裁判が、ドロ沼化している。流出したDVらしき音声データは裁判の提出資料だと分かったが、それらは決め手にならないというのだ。

「愛情は一切ない」「芸能生活をなげうってでも離婚したい」

   高嶋政伸さんは、拒絶反応が激しい。報道によると、美元さんが過大な生活費を要求し、ストーカー行為までしていたとして、法廷でこう力説した。

「ストーカーや暴力などで証拠ほどのものない」

   一方の美元さんは、生活費を過大に要求していたことなどを否定し、こう明かした。

「2年ぶりに会えて、うれしかった」「関係は修復できると思う」

   結婚から2年ほどで別居し、離婚調停から裁判にまでなっても、美元さんは、こう繰り返すのだった。

   東京家裁で2012年6月1日にあった裁判は、初の直接対決になったが、2人は、何から何まで対照的だった。

   流出した音声データの内容を巡っても、真っ向から対立した。

   データは、美元さんが10年5月17日に録音し、裁判の証拠資料として提出したものと分かり、政伸さんも自分の声であることを認めた。しかし、政伸さんは、美元さんが左目を殴ったと主張し、自らの暴力については否定した。これに対し、美元さんは、政伸さんの左ほほを平手打ちしたことは認めたものの、政伸さんは、酒と睡眠薬で人が変わったように暴力を振るうと訴えた。

   2人の主張は、裁判所の離婚判断にどのように影響するのか。

   離婚問題に詳しいフラクタル法律事務所の堀井亜生(あおい)弁護士は、この点について否定的な見方だ。

「高嶋側の浪費、ストーカーの主張、美元側のDVの主張は、いずれも裁判官に認められないでしょう。どれも裁判の証拠になるほど有力ではない。実際、尋問の様子から裁判官は興味を持っていないように見受けられます」

「別居期間の長さが離婚できるかのポイント」

   流出した音声データについても、堀井亜生弁護士は、DVの証拠にはならない可能性が高いと言う。

「今回の内容では、口喧嘩しながらお互いに手を出しており、暴行の程度もかなり弱く、いわば、ケンカの延長線上というわけです。高嶋さんが一方的に暴力を振るったとは断言できず、DVとは認めらないでしょう」

   そのうえで、堀井弁護士は、高嶋政伸さん、美元さんどちら側も暴力や不倫などの確固たる離婚の理由がないため、単に性格の不一致と見なされると指摘する。この場合は、むしろ別居期間の長さが離婚できるかどうかのポイントになるそうだ。

「離婚できるのは、通常は別居が3年以上の場合です。今回は、2人の別居が2年弱とこれには足りません。しかし、同居も同じ2年と短いですので、別居期間がこれで足りるのか足りないのかが争点になると思われます」

   別居期間の判断が微妙だとして、堀井弁護士は、「高嶋さんが裁判で勝つかどうかかなりギリギリのところで、勝算は半々ぐらいでしょう」と言っている。

   美元さんのように、子どもの存在や夫の不倫問題もないのに離婚そのものをしたくないと裁判まで頑張るケースは、極めて珍しいという。離婚のうち裁判になるのが100件に1件ほどであるうえ、通常は裁判で離婚の条件が争いになるケースが多いからだ。