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本当の「壁ドン」は? 「隣人にドン」「ラブラブにドン」

   J-CASTニュースは2012年10月18日、ネット上で「壁ドン」なる言葉が流行っていることを取り上げた。「ツイッターで謎の『ブーム』 『壁ドン』とは何なのか」。さっそく反響があった。2ちゃんねる界隈で目立ったのは意外にも「俺の知ってる壁ドンと違う」という声だった。

   J-CASTニュースは誤報だったのか? 実は壁ドンという言葉には、同じネット上でもいくつもの意味があるらしいことがわかった。

「壁殴り代行」という定番ネタも

こちらの「壁ドン」を想像した人も多かったようだ(イメージ)
こちらの「壁ドン」を想像した人も多かったようだ(イメージ)

   今回J-CASTニュースが記事にしたのは、主に女性ツイッターユーザーの間で広がっている「壁ドン」で、「壁際に立つ相手に、『ドン』と壁に手を突いて迫る」という、少女漫画などで「ありがち」なシチュエーションを指す言葉だ。記事ではこの「壁ドン」から派生して、「蝉ドン」や「猫ドン」などのネタが派生していることを紹介した。

   一方、2ちゃんねるなどでは上記の「壁ドン」以前から「マンション・アパートなどのうるさい隣人に、壁を殴ることで抗議の意思を伝える」「腹が立ったときに壁を殴る」という意味での「壁ドン」が定着していた。こちらの意味では「壁殴り」と表記されることも多く、「壁殴り代行」というコピペは、2ちゃんねるの定番ネタとなっている。記事中でもこの用法には触れていたが、2ちゃんねらーには「元祖」はこちら、という思いがあったようだ。

所属している層によって意味が変化

   さらに最近では「腹が立ったときに壁を殴る」という意味から派生して、視聴者が嫉妬してしまうようなアニメなどの恋愛描写に対する反応としても、「壁ドン」という言葉が流行している。こちらは主に男性アニメファンの間に広がっており、この層からも「てっきり幸せそうな二人を見たときに嫉妬して壁ドンドンする意味だと」といった反応が聞かれた。

   同じ言葉でも、属している層によって想像する意味がまったく異なってくることを、今回の反応は浮き彫りにした形になった。この現象について、あるツイッターユーザーは、以下のようにつぶやいていた。

「ネット上のブームってクラスタ(編注:属する層)によって同じ言葉でも意味や使われ方が違うので、ある一面では正しい情報だったりしても別のクラスタからは『いいかげん。捏造』とか言われてしまうので難しいね」

   はからずもネット言語の「多義性」「多重性」そして「狭義性」も示すことになった「壁ドン」。自分はどの「クラスタ」なのか、それを知る手掛かりにもなりそうだ。