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レース後跪いて両陛下に最敬礼 ミルコ・デムーロ「日本人より日本人らしい」

   第146回天皇賞・秋(G1)が2012年10月28日、東京競馬で行われ、名手ミルコ・デムーロが騎乗した5番人気のエイシンフラッシュが優勝した。

   ミルコ騎手はレース後、観戦された天皇、皇后両陛下にひざまずいて最敬礼した。その場面の動画アクセスはすでに20万回を超え、「感動した!」「日本人より日本人らしい」といった賛辞のコメントが並んでいる。

「きょうからミルコさんのファンになりました」

   エイシンフラッシュはこの日、最後の直線で本命馬のフェノーメノの追い込みを半馬身差でかわして見事1位でゴール。馬上のミルコ騎手は手を振りながらウイニングランし、両手でハートマークをつくってファンの声援に応えた。

   メーンスタンド前に戻ると、貴賓席の天皇、皇后両陛下の前で下馬し、手綱を引きながら緑色のヘルメットを脱ぎ、右ひざをついてお二人に深々と頭を下げた。

   7年ぶりの競馬観戦となる両陛下も笑顔で手を振ってお応えになられ、7万観衆からも大きな拍手が送られた。勝利確定後のインタビューでは「両陛下ご観戦の特別な日に勝つことができてうれしい」と感激していた。

   この動画は29日夕現在、再生回数が24万に迫る勢い。「ミルコ氏すばらしい」「薄れている日本人の心を体現してくれた」「ミルコ騎手、大歓声、両陛下の笑顔、すべてに感動」などのコメントがずらり並んでいる。掲示板にも多くの書き込みが寄せられ、「きょうからミルコさんのファンになりました」「かっこいい」「いいものを見た」といった内容が大半だった。

ミルコは「イタリアの武豊」

   競馬ファン以外の関心も引き寄せるミルコ騎手とはどんな人物なのか。ウィキペディアやスポーツ紙などによると、イタリア生まれの33歳で大の親日家という。1994年に母国の騎手免許を取得し、3年後の97年から2000年まで4年連続でイタリアのリーディングジョッキーに輝いた。

   初来日は1999年で、日本のG1初制覇は2003年春の皐月賞。同年の日本ダービーを外国人騎手として初めて制すと、「イタリアダービーを5回勝つよりうれしい」と大粒の涙を流した。

   「イタリアの武豊」。日本の競馬ファンからそう評される天才的な騎乗センスはその後も磨きがかかり、2004年に皐月賞を連覇したほか、08年にはジャパンカップも初制覇。イタリア・日本以外のビッグレースでの実績も目覚しく、日本馬のヴィクトルワールドピサに騎乗し、11年のドバイワールドカップで優勝している。

   性格的にはお茶目で目立つことが好きなのか、2007年末のレースで優勝のゴール手前で両手を広げる飛行機ポーズをとって制裁処分を受けた。翌08年のジャパンカップ制覇の際はゴール後に飛行機ポーズをとって再び話題となった。今度は制裁対象外だった。

   ちなみに、28日の天皇賞のレース後、ミルコ騎手が後検量の前に下馬した行為をめぐって「違反ではないか」との指摘があり審議対象となったものの、制裁対象ではないとの結論が示されている。