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ディズニー新型入場ゲート導入で波紋 金券ショップ「パスポート」買い取り中止

   ディズニーランドのエントランス(入場口)に一部、バーコードをかざす方式の新型ゲートが導入され、意外な波紋を呼んでいる。

   パスポートが使用済みか未使用か、見た目だけでは区別がつかなくなるため、金券ショップではすでに買い取りを中止したところが出てきた。また、オークションなどで使用済みを未使用と偽る「詐欺」が横行するのでは、との見方もある。

入場後もチケットの見た目は変らず

   東京ディズニーランド(TDL)と東京ディズニーシー(TDS)を運営するオリエンタルランドは、2012年10月16日、TDLのエントランス(入場口)ゲートの一部に新型を導入した。従来は、駅の自動改札のように、「パスポート」を通すと「利用開始後の有効期限日付」が印字されて出てくる仕組みだった。それが、新しいゲートでは、パスポートのバーコードを、センサー部にかざすだけで入れるように変更された。飛行機に搭乗する際に「e-ticket」でチェックインするのと同じような感覚で、入場後もチケットの見た目は変らない。ちなみに、5月に開業した東京スカイツリーでも同様の入場方式を採用している。

   新型ゲートでは、16日より前に発券されたパスポートも問題なく使えるほか、11年から取り扱いを開始した「ディズニーeチケット」も利用できる。「ディズニーeチケット」は、インターネットを通じてチケットの購入決済ができるサービスだ。QRコード(バーコードの1種)付きの画面を印刷したものがパスポートがわりになる。

   同社では、今回の変更について、ディズニーeチケットの提供とあわせて、チケットブース(券売所)やエントランス(入場)にかける時間を短くするのが狙いと説明した。あくまで「顧客の利便性向上のため」の変更と言う。

   確かに、ネットでは「プリントアウトしたeチケットを入り口の人に見せて入るのは面倒」「年パス(編注:年間パスポート)的にはこっちの改札の方が便利!」と歓迎する人もいる。現在は一部のみの導入だが、TDLとTDSあわせて90機あるゲートの全てを順次新型に切り替えていく方針だ。

使用済みのパスポートをつかまされたらどうなるのか。

   ところが、この変更に頭を抱えているところがある。金券ショップだ。パスポートが未使用か使用済みかを見た目で区別することができなくなってしまったためだ。TDLとTDSのパスポートを取り扱っていた金券ショップでは、先週頃から「パスポート」の買い取りを中止するところが続出した。

   アクセスチケット(東京・八王子市)のホームページの買い取り価格表では、29日現在、引き換え券を除くすべてのパスポートが「買い取り中止」となっている。引換券とは、「観光券」ともよばれ、旅行会社などが発行し、チケットブースでパスポートと引き換える券だ。なお、同じく買い取り中止した東京・千代田区の金券ショップも、観光券は引き続き取り扱うと話していた。

   ただ、「使用済み」をつかまされる可能性は消えていない。買い取ったパスポートの販売を継続しているショップもあり、現状では、それが「未使用」であるかはわからない。また、ネットユーザーからは、直接やり取りするネットオークションで、使用済みチケットを未使用と偽って売りつける詐欺も起きる心配がある。

   実際に、使用済みのパスポートを買ってしまい、エントランスで発覚した場合、どうなるのか。29日、オリエンタルランドの広報はJ-CASTに対し、「有償でも無償でも譲渡は禁止させていただいている」と説明した。その上で、「個別に、直接購入されたものか確認し、対応させていただくことになると思う」と話した。