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朝日と読売記者が関係した 信じられないほど酷いスキャンダル

   朝日新聞と読売新聞の運動部記者が別の記者を「恐喝」していたと、週刊新潮が報じた。読売新聞は「恐喝」は否定しているものの、「怪我の程度を偽って不当に治療費を支払わせた」ことは認め、関係者はクビになったらしい。

   iPS細胞治療の誤報、尼崎連続変死での写真取り違え…。このところのマスコミ報道では、不信を募らせるような不祥事が相次いでいる。

別の朝日記者を脅し、200万円支払わせる?

   そんな中で、今度は新聞記者の信じられない醜態ぶりが報じられた。

   週刊新潮の2012年11月8日発売号によると、朝日と読売の30代前半の運動部男性記者2人が、同世代の朝日の同僚男性記者を脅して、クビになっていた。

   2人は6月半ば、東京・銀座のシティホテルに被害者の記者を連れ出して飲ませ、仕事をけなすなどして挑発した。この記者が激高して2人の胸倉をつかむなどしたところ、その後、2人のうち朝日の記者が被害者にメールし、自分は殴られて全治1か月のけがをし、読売の記者も診断書を取ったと脅した。そして、朝日の被害者記者に200万円を支払わせたという。

   朝日の記者は社内LANを使ってメールしていたため、システム担当者に見つかり、9月半ばにクビになった。退職金も支払われていないという。

   また、朝日側が読売に通報したため、読売記者の関与も発覚し、記者は9月末に懲戒免職処分になった。

   ただ、被害者と示談が成立したとして刑事告発は行われず、外部や社内でも公表された形跡がなかったとしている。

   新潮の記事ではさらに、2人は、女性問題などがうわさされる「札付き記者」だったとし、読売の記者は、女性とハメ撮りをした映像を仲間に配るなど卑わいなこともしていたと指摘した。

   事実関係について、朝日新聞社の広報部では、「当事者の間で解決して示談が成立したと報告を受けており、被害者の意向とプライバシーを尊重し、事案の内容の説明は控えます」とだけ取材にコメントした。

読売は隠蔽を否定、「経過や金額などに誤りがある」

   読売新聞グループ本社広報部では、恐喝との報道を否定し、「怪我の程度を偽って不当に治療費を支払わせた事案と確認した」とコメントした。加害者の記者に対しては、通常の手続き通りに厳正に処分しており、社内への伝達も必要に応じて行ったとして、「口止めも隠蔽もしていない」と言っている。

   また、ハメ撮り映像については、「一切把握していません」と答えた。そのうえで、週刊新潮の記事について、「コメントとして引用された部分も含め、事案の経過や金額などにいくつもの誤りがあります」としている。

   紙面に誤報も出ていることについては、反省して専門知識を高め、再発防止に努めるとしながらも、「記者の質そのものが劣化しているとは思っていません」と主張した。

   しかし、マスコミのある元運動部記者は、最近はますます記者の質が落ちていることを実感すると話す。

「iPSの誤報では、もともと『札付き研究者』だったことが知られていたが、裏を取らずに書いたもので、信じられませんね。そんなことは、記者のイロハのイでしょう。尼崎の顔写真は、違うと言った人もいたというのに、それを使うなんてありえないですよ。スポーツでも、ネタを集める努力をしないで、みな同じことを書いています」

   質が落ちた背景については、こう言う。

「他社とつるんで、競争心を失っているからですよ。抜かれると怒られるので、1人が抜け駆けすると村八分にします。こうした傾向は、20年ぐらい前から続いており、その世代がデスクになって、速報第一で検証しない体質になっています。また、最近の若い記者たちは、ネットを見て仕事を済ませ、直接確認しようとしない傾向もあるようです。スポーツ取材では、自らスポーツした経験も少ないようなので、質問の仕方も知らず記事に奥深さもありませんね」

   朝日や読売が刑事告訴せず、外部に公表もしなかったことには疑問を呈す。

「みっともないから、外に出せないのでしょう。しかし、取材対象には、告訴しろ、発表しろとあおるのですから、それはおかしいですよね」