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ガラス混入10日以上気づかず カルビーポテト「想定外」のなぜ

   カルビー「堅あげポテト」の一部商品にガラス片が混入したことは、発覚まで少なくとも10日間は気づかれていなかったことが分かった。なぜこんなに長く気づかなかったのか。

   「堅あげポテト」シリーズは、そのガリガリ食感がウケて、1993年に販売が始まって以来のロングセラー商品になっている。

混入2件とも、製造されたのが11月8日

どうして混入した?
どうして混入した?

   ところが、「噛むほどうまい!」とのキャッチフレーズとは裏腹に、噛むほど痛いガラス混入が起きてしまった。

   2012年11月20日の発表によると、関西地方の高校生とみられる男子生徒がポテトチップスに混入したガラス片(5ミリ四方)で口の中を切るケガをしたと、母親から17日にカルビーへ電話があった。また、19日にも同様な混入の連絡があった。いずれも、シリーズのうち、関西地方限定販売の「関西だしじょうゆ」の商品だった。

   カルビーが調べると、滋賀県の湖南工場で照明器具のガラスカバーが割れており、その破片が落ちたことが分かった。そこで、カルビーは、混入した可能性があるシリーズ9種類、計約534万袋を自主回収することを決めた。賞味期限が4か月であることから、発表日より遡って7月20日から製造された商品が対象になっている。

   カルビーの広報部に取材すると、混入の2件とも、製造されたのが11月8日であったことを明かした。とすると、ガラスは少なくとも発覚の10日前には破損していたことになる。

   カルビーによると、ガラスが割れた照明器具は、ポテトチップスを揚げる装置の出口に設置されていた。装置は、清掃や点検を毎日行っていたというが、なぜそれまで気づかなかったのか。

照明の劣化などの可能性

   この点について、カルビーの広報部では、装置の照明器具が角度的にも見えづらいところに設置されていたからだと説明した。ガラスにかなりの厚みがあり、これまで破損したことがなかったため、点検リストにも入れていなかったという。つまりガラスが破損することは、「想定外」だったわけだ。

   ガラスが割れた原因については、調査中だとしている。装置周辺には常に複数の従業員がついているため、事件性はなく事故だと考えているとし、「おそらく照明自体の劣化や温度の影響があるかもしれない」と言う。

   とすれば、管理に問題はなかったのか、今後問われることになりそうだ。

   カルビーは、2011年3月に東証1部上場を果たし、12年に入ってからも、業績は好調だった。東京・お台場などに開設した揚げたてチップスの店は常時行列ができるほどヒットし、新商品の野菜チップス「ベジップス」は売れ過ぎて品不足になり販売休止するまでになった。不況の中でも13年3月期の業績予想が過去最高益となる見込みだったが、主力商品の1つで思わぬほころびが露呈してしまった形だ。