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フジ「アイアンシェフ」視聴率低迷は地デジ化が理由? 魚の血の塊がハッキリ「料理が不味そうだ」

   視聴率低迷に喘ぐフジテレビが威信をかけ2012年10月に番組改編を行ったが、その目玉の一つだった「アイアンシェフ」の視聴率が低迷している。

   その原因について週刊誌などが様々な分析をしているが、ネットでは「料理が不味そうだから見る気がしない」などといった「新説」が出ている。地デジ化で鮮明になった調理過程に問題があるようなのだ。

「見た目は綺麗だが美味しそうなイメージはない」

   「アイアンシェフ」は93年から99年まで放送された「料理の鉄人」をベースにしており、13年ぶりに午後8時台の放送枠で復活させた。「料理の鉄人」は午後11時台の放送にも関わらず視聴率は20%超えの大人気番組で、アメリカでも放送され大好評を博した。

   「アイアンシェフ」の内容は「料理の鉄人」とほぼ同じで、番組で用意した和食、フレンチ、中華の料理人のレギュラー出演者「アイアンシェフ」に実力と実績のある料理人が挑み、与えられた食材テーマで対決し、その場にいる審査員が味や見た目などの総合評価で勝敗を決めるというもの。

   鳴り物入りでの復活だったが、第一回放送の2時間スペシャルの視聴率は10.7%、第2回は6.9%と落ち込み、その後は7%前後で推移している。この原因は週刊誌などのメディアで色々騒がれていて、例えば大人気番組だったとはいえ、13年前と代わり映えのしない演出のため早くも飽きられている、というものから、的確な料理の評価ができる審査員が少ない。「アイアンシェフ」にかつてのような華がない、などなど。

   また、番組の「主宰」を鹿賀丈史さんから俳優の玉木宏さん(32)に変更したが、玉木さんは女ぐせが悪いとの風評があるため、視聴率を稼げる旬な女性タレントが出演を拒んでいる、などといった本当かどうかわからない報道をする週刊誌記事も出た。

   ネットの評価は別で、「アイアンシェフ」や挑戦者の作る料理に問題があるという意見が意外に多い。

「見た目は綺麗だがまずそう。なんかおいしそうなイメージはない」
「初回見て不味そうな料理にビックリした。ビストロSMAPのほうが美味しそうw」
「まずそうだろ?手間を掛け過ぎた実験料理のようだ」

などの意見が掲示板やブログに出ていて、「もう見ない」などと書き込んでいる。

   なぜ不味そうに見えるのか。

ネットで「フライパン汚ねー!」などと悲鳴も

   例えば12年11月23日放送を例に取ると、この回はフレンチと中華の「アイアンシェフ」に、中華とフレンチの料理人がそれぞれ挑む2試合を放送した。1回目の試合の食材のテーマは豆腐、2試合目は真鱈だった。試合終了後に審査員は試食するが、完成した料理はまるで料理雑誌のグラビアから抜け出たように光り輝きどれも美味しそうだったが、「調理をしていく過程が食欲を無くす」と感じている人もいる。

   例えば真鱈だが、調理人がそれを捌く様子が映し出され、腹の部分から大量の白子と血の塊が流れ出た。上海カニは生きたまま真っ二つにされ、その分断面が大写しになった。また番組では豆腐を燻製にする料理人がいて、燻製にした豆腐をうまく取り出せずチップの上に落としてしまうハプニングや、様々な食材をフライパンの上で重ねて調理した際に、フライパンにソースのようなものが焦げ付いていて、ネットで「フライパン汚ねー!」などと悲鳴をあげる人がいた。

   生きた食材の調理過程を見て気分が悪くなり食欲が無くなる、というのは良く聞く話だし、また調理を進める過程で調理器具が汚れていくのは当たり前だが、不潔ではないことは分かっていても、それを見せられるのは気分がいいものではない。

   もちろん「料理の鉄人」でも生きた魚を捌いたり、調理器具が汚れるというのは普通にあったが、全く問題にはならなかった。なぜ「アイアンシェフ」では気になってしまったのだろうか。

   実は、「アイアンシェフ」が始まる前に「料理の鉄人」のファンは、地デジの綺麗な画像で美味しそうな料理が見られることを期待し、喜びの書き込みをしていた。事実、放送では食材と調理過程、完成された料理が鮮明な画像で映し出されているが、この地デジ化が視聴率低迷に結びついているとしたら、なんとも皮肉な話だ。