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橋下市長、週刊朝日に「蒸し返し」宣戦布告 「過去の人権侵害記事に法的手続き執ります」

   大阪市の橋下徹市長が、一度は和解したはずの週刊朝日(朝日新聞出版)に怒りを爆発させている。前回、橋下市長の逆鱗に触れたのは、自らの出自に関する連載だったが、今回の怒りの矛先は、橋下市長のメディア露出のあり方について茶化した記事。

   この記事をきっかけに、「過去の人権侵害記事について、民事、刑事の法的手続きを執ります」と、一度は解決したはずの問題を蒸し返す決意を固めたようだ。

連載問題は社長の引責辞任で解決したはずだった

橋下市長は、ツイッターで「人権侵害週刊誌の週刊朝日に対して法的手続きを執ります」と宣言した
橋下市長は、ツイッターで「人権侵害週刊誌の週刊朝日に対して法的手続きを執ります」と宣言した

   橋下市長の出自をテーマにした連載「ハシシタ・奴の本性」をめぐっては、2012年11月に朝日新聞出版の神徳英雄社長が引責辞任。親会社にあたる朝日新聞社の第三者機関「報道と人権委員会」が経緯を検証、橋下市長に報告の上で謝罪し、この時点では橋下市長も謝罪を受け入れて矛を収めていた。

   だが、13年4月6日14時30分、橋下市長は突然ツイッターで怒りを爆発させた。橋下市長が矛先を向けているのは、週刊朝日の4月12日号に「石原慎太郎代表の復帰と賞味期限切れで焦る橋下市長」と題した記事。紙媒体は4月2日に発売されたが、4月6日になって一部がウェブに掲載され、橋下市長の目に触れたようだ。記事では、在阪テレビ関係者が

「もう橋下さんでは視聴率がとれない。議員団とのドタバタ劇に大阪人は興味を示さない」

と橋下市長の影響力低下を指摘。その上で、「行列のできる法律相談所」(日本テレビ系)や「たかじんNOマネーGOLD」(テレビ大阪)といった古巣のバラエティー番組への出演が目立つことを踏まえながら、

「焦ると政治家はネット番組ややわらかい番組に出たがるものです」

という議員秘書のコメントを紹介して出演を揶揄した。

「真正面からの政策批判かルール違反行為の追及で攻めて来いよ」

   この点について、橋下市長は

「週刊朝日が僕に対して重大な人権侵害をやったのはつい半年前。そのことで公人チェックを緩める必要はないが、せめてそのような大失態をやったなら、真正面からの政策批判かルール違反行為の追及で攻めて来いよ。それを、こんな人をバカにしたような記事を載せやがって」
「俺が知事になって今があるのは、行列のおかげだし、たかじんさんのおかげでもある。たかじんさんが復帰したと言うことで番組に伺って何が悪い」

と怒りをぶちまけた。その上で、週刊朝日への対応方針を改めることを宣言した。

「報道の自由、表現の自由が民主主義の根幹だからと思って黙っていたが、こういう人権侵害週刊誌は、性根が腐っている。黙っていたら調子に乗るばかりだ。公人になってから報道の自由は絶対的に尊重していたが、こりゃダメだ。人権侵害週刊誌の週刊朝日に対して法的手続きを執ります」

   あわせて、法的措置の対象は、今回の記事ではなく過去の連載であることも明らかにしている。

「今回の茶化し記事についてではないです。過去の人権侵害記事について、民事、刑事の法的手続きを執ります。ほんと週刊朝日もバカだよねえ」