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世論調査の「支持率」つるべ落とし 民主に抜かれ、日本維新本当の崖っぷち

   2012年12月の衆院選では「第三極」として躍進した日本維新の会の勢いが、すっかり衰えた様子だ。

   アベノミクスを背景に「一人勝ち」を続ける自民党の影響ですっかり存在感を失い、2013年7月にも行われる参院選の投票先を聞いた世論調査では民主党に抜き返される有様だ。橋下徹共同代表(大阪市長)は「このままいけば『年内消滅』もあり得る」と危機感を煽るが、参院選を乗り切れるのか。

自民の「一人勝ち」続く

   維新の失速ぶりは、世論調査の結果に如実に表れている。

   フジテレビの報道番組「新報道2001」では、首都圏の500人を対象に「次の選挙でどの政党の候補者に投票したいですか」という質問で電話調査している。この中で維新の会を挙げた人の割合は、5.2%(13年4月11日調べ)、4.8%(4月18日)、3.4%(4月25日)、4.0%(5月9日)といった具合で、ここ1か月ほど低調に推移している。5月9日の他党の結果を見ると、自民党が43.0%で「一人勝ち」。民主党が5.0%で、民主党に抜かれてしまった。みんなの党は3.2%。

   衆院選から日が浅い1月4日の調査結果では自民党43.2%、日本維新の会8.2%、民主党7%、みんなの党4.2%で、民主を上回っていた。

   読売新聞が5月10日から12日に行った電話(RDD)世論調査でも、13年夏の参院選での投票先を聞いている。維新の会は8%で自民党(47%)に次ぐ勢力で、民主党(7%)、公明党(5%)が続く。だが、1月の調査では自民37%、維新16%、民主8%。「維新離れ」が急速に進んでいるのは確かなようだ。

石原氏も「決して『昇り龍』の勢いにあるとは言えない」

   だが、旧「大阪維新の会」と旧「太陽の党」との距離感が埋まらないこともあり、支持回復への道筋は見えないままだ。

   旧「大阪維新」出身の橋下氏は13年5月11日の党会合で、

「衆院議員54名、衆院選で当選した。次の参院でも、『そこそこ当選すれば、まあいいのではないか』。そういう気持ちがもし僕らにあれば、それはすぐに有権者に見透かされてしまう」
「このままいけば『年内消滅』というのもあり得るんだな、と僕は思っている」

と檄を飛ばした。旧「太陽」の石原慎太郎共同代表も5月8日の選対本部立ち上げ後に

「衆院選の時と違って、維新の会は決して『昇り龍』の勢いにあるとは、私は言えないと思う」
「非常に苦しいシチュエーションの中で、大事な選挙を戦わなくちゃならない」

と述べた。

   2人とも危機感を持っている点では変わらないが、方法論ではまだ一致できていないようだ。石原氏は5月7日の国会議員団の会合で、「維新は賞味期限を迎えつつある」として、橋下氏に参院選出馬を促すべきだと主張したことが明らかになっている。だが、当の橋下氏は参院議員と市長は兼任できないことを理由に、現時点では出馬を固辞。5月9日の定例会見では、

「僕が国会議員になっても、クソの役にも立たない」

とまで述べている。

   衆参ダブル選もささやかれる中、資金力に乏しい維新は現有勢力の確保すら怪しい状況だ。