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「スズメバチ巣で自慰男、刺され死ぬ」 日英のメディアが「お笑い大虚報」に釣られた

   スズメバチの巣にペニスを突っ込んで自慰行為を行ったスウェーデン男性が、刺されて死亡――思わず「ええっ!?」と声を上げたくなるようなニュースが、国内外で配信された。

   日本では日刊スポーツ(ウェブ版)、海外では英国のザ・サンやIBタイムズといった大手メディアや地元ラジオ局なども報じたこの話題、ところがどうやら虚報らしい。

突っ込んだ局部を54か所刺されて…

スズメバチの巣を刺激する行為は極めて危険。自慰ならぬ自殺行為だ(イメージ)
スズメバチの巣を刺激する行為は極めて危険。自慰ならぬ自殺行為だ(イメージ)

   その内容を、日刊スポーツが2013年5月15日深夜にウェブ版で配信した記事を元に見てみよう。なお、IBタイムズなど海外紙に掲載された記事も、おおむね同内容を伝えている。

   死亡したとされるのは、スウェーデン・イースタッドに暮らす35歳の男性だ。「地元紙」によれば13日昼、男性は自らの牧場で、全身がはれ上がった「クジラの死体のような」無残な姿で発見された。

   男性の傍らには、スズメバチの巣が転がっていた。巣の中には男性の陰毛、そしてスズメバチの死体には男性の精液がかかった形跡が――こうした物証から地元警察は、男性が自らのペニスを巣に突っ込んで自慰行為を行い、スズメバチに刺されて死亡したと推測した。事実、全身145か所に及ぶ刺し傷のうち、54か所がその局部に集中していたという。まさに挿しつ刺されつといったところか。

   この「ツッコミどころしかない」ニュースは、たちまちネットを席巻した。該当記事のツイート数は1万回を突破し、2ちゃんねるでも、

「本当に逝ってどうする」
「たかが一発の為にスズメバチから146発も受けるなんて(´;ω;`)」
「しっかり発射してんのが笑える」

などと爆笑が広がり、相次いで大手ニュースブログにも転載された。海外のツイッターでもツッコミが相次ぐ。

「知りうる限り一番変なフェチだよ……何考えてたんだろう」
「これは単なるバカかそれとも自然淘汰という奴か……うん、まあ両方だろうな」

スウェーデンで去年から出回っていた

   ところがこの話が広がるにつれ疑問の声が出始めた。なんとこのニュースが「虚報」ではないかというのだ。

   調べてみると、これとまったく同内容の話が、2012年9月ごろスウェーデン国内のウェブサイトに掲載されていることが確認できた。海外の掲示板などでは記事中に登場する人名の不自然さも指摘された。詳しい経緯は不明だが、このスウェーデン発のジョークニュースが14日ごろから英国に持ち込まれ、各メディアに拡散したらしい。

   いったんはこの話題を掲載した英メトロは記事を差し替え、事件は「ガセネタ」だと結論付けた。日刊スポーツも記事の信憑性が疑わしいとして、配信後約3時間で問題の記事を削除している。あまりに面白すぎた話にいっぱい食わされた格好だ。