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スウェーデンの男性電車運転士、スカートを履く 「暑すぎるから」 半ズボン禁止で抜け道

   スウェーデンで、男性の電車運転士12人が、スカートを着用して仕事をするようになり、ネットで話題になっている。暑い日にもかかわらず、半ズボンを履くことを禁止されたことの裏をかいたという。

   英BBCが2013年6月6日に伝えたところによると、運転士たちは、首都ストックホルムの北部を走る路線・ロスラグスバナンの運転をしている。

スカートが禁止されないのは「男女平等」だから

「涼しさ」のためにスカート着用
「涼しさ」のためにスカート着用

   この路線の運行会社Arriva(アリーバ)は1月に、運転士たちに半ズボンの着用を禁じた。

   しかし、地元紙Mittiによると、会社は男性らにスカートを履くことは許可していたという。アリーバの広報担当者はBBCに対してその理由をこう説明していた。

「私どもの考えでは、アリーバの顔として従業員はその場にふさわしく、好ましい身なりをしているべきで、現在の制服はそれにかないます。もし男性がスカートを着たいというだけなら、それはOKなのです」

   一方、運転士の1人はスカートだけが許される理由について、こう解説した。

「運転士に(スカートを履くな、など)どうこうしろと言うのは差別になる可能性があるからね」

   スウェーデンは男女平等が進んでおり、男性にだけスカート着用を禁止すれば、不平等と言われかねないというのだ。

   彼と同僚らは冬にこの「ドレスコード」を会社から通知されたあと、スカートを履くというアイデアを思いついたという。一般にスウェーデンの夏は短く涼しいと思われているが、気温が35度を記録する日もある。

「夏がくるたびいつも、スカートを買ってきて履かなきゃなと冗談をいいあっていたんだ。ここはすごく暑いので、半ズボンを履きたいところなんだけど、それはできないので、だったら快適さのためにスカートにするのさ」
「乗客は僕たちのことを凝視するけど、そのうち誰も何も言わなくなったよ。ええ、少なくとも僕にはね。それに快適さのほうが重要だから気にならないよ」

日本「でも実際スカートって涼しそうでいいよな」

   このニュースはもともとスウェーデンの地元紙の小さな記事だったが、英BBCなどが取り上げて世界中に「拡散」。大きな国際的関心を呼んでいた。

   日本のネットでも、「でも実際スカートって涼しそうでいいよな」と好意的に受け取る人が多く出る事態に。

「スコットランドもタイもスカート履いとる 日本の袴だってスカートと言えないことも無い」
「日本は男がスカートはけないのはずるいよな 涼しそうでうらやましい」

   一連の騒動を受けてアリーバは10日、同規則を撤廃すると発表した。同社の広報は同日「職員から寄せられた多くの提案に耳を傾けた結果、この問題に関しての方針を変えることを決めた」と話したという。

   職員には、今夏に向け、半ズボンの制服が支給されることになるという。新規則はスウェーデンで働くアリーバの全職員に適用されるそうだ。

   なお、「女性の衣類を着用し続けたいのであれば、それは彼らに任せる」とも言っているという。

   前述の運転士は、スカート着用について今回の決定にこうコメントしている。

「スカートが恋しくなったりなんてしないよ。半ズボンが好き――これが、僕が(問題提起)を始めたそもそもの理由なんです」