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問責決議された丸川珠代参院議員 鳩山元首相に並ぶ「二代目ルーピー」の声

   厚労政務官の丸川珠代・自民党参議院議員に対し、参院厚生労働委員会は2013年6月25日に与党欠席のまま問責決議案を可決した。

   人材派遣会社の広告に厚労政務官として登場し、その後の対応もまともではないといった批判が噴出しており、かつてアナウンサー仕込みのよく通る声を使って鳩山由紀夫元首相に「ルーピー!!!」と国会で叫んだことが蒸し返され、ネットでは「ルーピー珠代」「二代目ルーピー」などと呼ばれている。

日本経済新聞の全面広告に出たことが発端

   問責決議案が可決した経緯は、2013年2月25日付日本経済新聞全面広告に、丸川議員が厚労政務官として登場したこと。人材派遣会社ヒューマントラストの広告で、阪本美貴子社長との対談形式になっていた。「日雇い派遣の原則禁止」が12年10月に施行されたことに対し、労働者保護に逆行するものだから厚労省の研究会で日雇い派遣復活を検討し、今夏にも労働政策審議会に案を提出するなどといった発言をした。

   この広告に対し国会で、監視下にあるはずの派遣会社の広告に厚労政務官が出るのは異常なことであり、「日雇い派遣の原則禁止」の見直しは議論になっていない、などと批判された。丸川議員は日雇い派遣の見直しは「厚労省の見解のひとつ」と発言したが、やがて「議員としての見解」とトーンダウンするなど、しどろもどろの釈明が続いた。そして10年と11年に派遣業界の政治団体からパーティー券を購入してもらっていたことも判明した。

   4月25日には共産党の田村智子議員から参院厚生労働委員会で、ヒューマントラストは未だに「日雇い派遣」をやっていると指摘され、「問題があれば厳正に調査すべきだ」と答えていたのも関わらず、1か月後の5月23日に再び田村議員がこうした会社の宣伝に出たのは非常に悪質であり違法行為の片棒を担ぐことになる、と追及された。この日、参院厚生労働委員会理事会が丸川議員に対し、内閣提出の法案審議で政務官としての答弁を認めない「謹慎扱い」にすることが自民党も含めた全会一致で決まった。そして、6月25日に行われた参院厚生労働委員会で、与党欠席のまま民主党、みんなの党、社民党、共産党の賛成で問責決議案が可決された。

「自分もルーピーで愚か者ってオチよくできてるわw」

   丸川議員といえば鳩山由紀夫元首相に対し、10年5月21日午前の参院本会議で「ルーピー」とヤジを飛ばした様子が有名だ。アナウンサー仕込みのとてもよく通る声で響き渡った。また、10年3月25日の厚生労働委員会で子ども手当法案が強行採決されたときに「愚か者めが!」と絶叫したことも語り草になっている。「ルーピー」というのは10年4月に米紙ワシントン・ポストが鳩山元首相を形容した言葉で、日本では「愚か者」という意味だと解釈する人が多かった。ワシントン・ポストは日本の指導者に対し失礼だという批判を受けて、後に「ルーピー(LOOPY)」は「愚か者」「変わり者」ではなく「現実から遊離している」という意味だと説明している。

   ネットでは、今回の丸川議員のやったことは、鳩山元首相に投げたブーメランが帰ってきたようなものだ、とし、

「ルーピー珠代がどうしたんだ!?」
「二代目ルーピー丸川珠代」
「自分もルーピーで愚か者でしたってオチよくできてるわw」

などといった書き込みが掲示板やブログに出ている。