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人民日報「日本の少子化対策は見当違い、若者の仕事問題改善せよ」 「悔しいが正論」「ぐぬぬ」とネットで話題

   「日本の少子化の要因はケア不足ではなく、若者の経済問題だ」――中国の人民日報日本語版のこんな社説を掲載した。

   日本のネットでは「中国に言われて悔しいが正論」と首肯する人々が相次いでいる。

「根本的な要因はケア不足なのではなく、経済的な問題である」

   中国共産党機関紙・人民日報日本語版は2013年7月8日付の社説で、「日本はなぜ『少子化』に頭を悩ますのか?」という見出しの記事を掲載した。日本の少子化は将来の労働力供給に影響を与え、経済発展のブレーキとなるだけでなく、高齢化問題をも深刻化させ、医療費・福利厚生などの社会保障システムの負担を重くさせる。その結果として、国際競争力を低下させるという。

   政府が2013年6月25日閣議決定した、2013年度版「少子化社会対策白書」によると、日本の女性が第1子を出産した平均年齢は30.1歳となり、初めて30歳を超えるなど「晩婚化」と「晩産化」が同時に進んでいる。また、若者の経済状況の悪化が結婚や出産を望まない原因となっている。日本が最近発表した人口統計・予測資料によると、5月1日の時点で、全国の15歳未満の「子ども人口」は1649万人で、総人口に占める割合は12.9%ととなり、これまでで最低の数字を記録した。

   この問題について記事では、政府は少子化担当大臣を特別に設置したほか、「産後ケア」を強調し、実施されていた児童手当の支給額増加、妊婦の産休期間の延長、養育費の補助金の増加などの対策もおこなったが、これらの対策でも日本はいまだに少子化の流れをとどめられていないと指摘する。

   そして、

「根本的な要因はケア不足なのではなく、経済的な問題である」

と断じた。

   さらに、日本では子どもを大学までやるのにすべて国公立だったとしても、合計で2985万円かかる―こんなAIU生命の2005年の調査結果を引き合いに出した上で、内閣府の調査で、子供を出産、子供を養育するには経済的負担が大きすぎ、費用を捻出できないとする答えは全体の39%を占めていることをあげて、

「このため、現在の若い男女の立場にたって若者の仕事問題を改善しなければ、若者は当然、順調に結婚や出産などできないだろ」

と案じている。

「中国に正論言われるようじゃおしまいだなw 」

   ツイッターや2ちゃんねるなどのネットではこの社説に対して、「中国に正論言われるようじゃおしまいだなw 」「悔しいが反論の余地が無いくらいに正論。「日本の政治家はこの記事に目を通すべきだと思う」「ぐぬぬ、中国紙のくせに正論」「生まれて初めて中国の記事に沈黙を強いられました。何も反論できません」と、中国が言っているのに正論だと悔しがる人が相次いでいる。

   一方で、「金の問題なのかな・・・昭和の子どもたちって金かかってないと思うけど」という見方も出ているが、「中国は貧しくても生んじゃうけど、日本は生まれてくる子に苦しい思いをさせなくないから生まない 」との反論もある。