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顔、首、手、指に「白まだら」 カネボウ美白化粧品「被害」の実態

   美白化粧品が効きすぎて肌がまだらに白くなってしまった――こんなお客からの訴えが相次ぎ、消費者庁が2013年7月18日、当該カネボウ製品の回収状況を公表した。

   カネボウは詳細な症状について現在調査中としているが、いったいどんな被害が出ているのか。

カネボウ「使用中止で回復したというケースが多い」

製品を塗ったと考えられる部位がスポット的に白くなるケース(画像はカネボウから)
製品を塗ったと考えられる部位がスポット的に白くなるケース(画像はカネボウから)

   カネボウによると、現時点で症例が確認されているのは39人。被害者の大半は女性だが、家族に勧められて使用した男性の例もあった。

   症状は大きく分けて、顔や首、手、指のうち製品を塗ったと考えられる部位で炎症が起こった後スポット的に白くなるケースと、炎症がなく気が付かないうちに、まだら状態や境界が不明瞭に白抜けする場合の2通りが確認されている。まだらになるのが1~2か所と比較的軽度なケースから、3か所以上場合や、顔に出てしまった場合まで、部位や症状には個人差がある。

   治るかどうかについては、調査をおこなう日本皮膚科学会の文書では14例が回復および回復傾向、15例が未回復(発症直後含む)、10例が未確認とされている。カネボウは「化粧品の使用を中止していただくと回復したというケースが多く見られますが、現在症例について分析している最中で、はっきりとしたことはまだ申し上げられません」と話していて、日本皮膚科学会も「すでに使用を中止している症例の中で、ゆっくりと色素脱失が回復し、脱色素斑の面積が縮小していることが経験されていますが、すべての症例で回復するかどうかは、不明です」と説明する。

   カネボウでは、回収対象の化粧品を所持している場合はすぐに使用を中止し返品するとともに、症状が出た場合は医師の受診を呼びかけている。

問題の製品は自主回収・返金を受け付け中

   今回問題となっているのは、同社と関連会社が製造販売する美白製品のうち、「医薬部外品有効成分ロドデノール 4-(4-ヒドロキシフェニル)-2-ブタノール」の配合されたものだ。ロドデノールはメラニン生成反応にかかわる酵素「チロシナーゼ」と結合し反応を阻害する。これにより、色素沈着部位の色調が改善する。

   厚労省の承認を受けた美白有効成分で、社内基準においても様々な試験を実施して安全性を確認していたという。

   カネボウでは7月4日にこの件を公表して以降、これら製品の各種サイズおよびサンプルの自主回収・返金をおこなっており、これまでにお客から回収対象品の約30万個(推定)の返品を受けた。販売店からは約42万3000個を回収済み。

   回収対象の製品は、カネボウブランシール スペリア ホワイトディープシリーズ、suisai ホワイトニングエッセンス、トワニー エスティチュードホワイトシリーズ、トワニーセンチュリーザ・ローション、インプレス ICホワイトシリーズ、インプレス グランミュラローション、アクアリーフ MCTホワイトニングエッセンス、リサージ ホワイトシリーズ、リサージ ボーテ サーキュリードa、RMK インテンシブ ブライトニング エッセンス、 RMK スキンチューナーブライトニング、SUQQU ホワイトニングシリーズ。