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広島死体遺棄の16歳が「生活保護受給」報道 親がいるのに受給できることに驚きの声

   広島県呉市の少女死体遺棄事件で、逮捕された7人のうち広島市中区の少女(16)が生活保護を受給していたと一部で報じられた。親がいる未成年なのになぜ受給できるのかと、ネット上で話題になっている。

   この事件では、逮捕された7人のうち6人が未成年で、かなり荒んだ共同生活などを送っていたことが浮き彫りになっている。

「親にはネグレクトされた」というが…

   うち広島市中区の少女については、毎日新聞の2013年7月20日付記事によると、13年に入ってから、単身世帯として月額約10万円の生活保護費が区から支払われていた。少女は4月中旬からマンションの1Kの部屋に入居し、その家賃は、住宅扶助費上限の4万2000円だったそうだ。

   少女には、親がいたものの、ネグレクトされたと周囲には言っていたという。鳥取県内の施設に一時保護されたが、その後は、マンション入居まで友人宅を転々としていた。マンションでは、逮捕された交際相手の鳥取県米子市の少年(16)らと事実上、共同生活をしていたという。

   この報道に対し、ネット上では、未成年者の受給という事態に驚きの声が上がっている。さらに、こんな疑問も相次いだ。

「え?親の扶養義務は???」「なんで児童施設にいれないの?」「16で働けないことはないだろう。なんで保護受けてんだよ」

   広島市中区の生活課では、取材に対し、「特定の個人については、保護を受けているかの問い合わせにはお答えできない」とした。ただ、一般論として、未成年でも場合によっては生活保護を受給できると説明した。

「確かに、児童福祉法による施設入所で問題が解決できれば、支給することはありません。しかし、施設に入所できず、親など身内の援助もなければ、最後に生活保護が機能することになります。受給には年齢制限はありませんが、あくまでもレアケースです」

接客業で一緒に稼いでいた可能性も

   16歳なら働けることについて、広島市中区の生活課は、そのことを認めながらもこう言う。

「働く能力があると言っても、受給できないわけではありません。失業するなどすれば、次の仕事を見つけるまで、生活保護を受けることはできます」

   ただ、障害や病気などの理由もなく、いつまでも受給できるわけではなく、働かなければ打ち切られることもあるとした。

   今回の事件で自首した広島市東区の別の少女(16)は、友人らと接客業をして、月に100万円ほども稼いでいたこともあるとされ、中区の少女も一緒に働いていた可能性が報じられている。

   仕事をしていても、収入が少なく最低生活基準を満たさなければ、生活保護が支給されるが、少女の場合、どの程度稼いでいたのかは不明だ。

   厚労省の保護課によると、2011年7月末時点で、単身世帯として生活保護を受給している未成年者は、全国に1473人いる。この中には、施設に入っている乳幼児なども含まれているが、入所では満たされない部分があったり、受給していた親が何らかの理由でいなくなったりしたときなどがありうるという。