2022年 1月 24日 (月)

シカの食害が広がる 「捕獲のプロ」育成が必要だ

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   日本各地でシカが農作物や森林の樹木を荒らす食害が深刻になっている。鳥獣保護区を減らし、捕獲に取り組むなど官民挙げての対策が動き始め、シカの肉を使った料理の普及の動きも広がる。自然保護と人間生活をどう両立させるか、人間の知恵が問われている。

鳥獣保護区の削減に踏み切る自治体が続出

シカの肉を使った料理の普及も
シカの肉を使った料理の普及も

   農林水産省のまとめでは、野生鳥獣による農産物被害額は2011年度に全国で226億円、うちシカによる被害は過去最高の83億円に達しており、2005年から倍増している。林野庁によると、シカやクマなどによる森林被害面積は2011年度に約9400ヘクタールで、うちシカが5700ヘクタールと6割を占める。

   シカは本州中央部を中心に生息するニホンジカのほか、北海道のエゾジカ、屋久島のヤクシカなど各地に生息。明治以降は乱獲のため各地で激減したが、戦後、保護策が取られ、数は次第に回復していった。生息する頭数の正確な統計はないが、地球温暖化によって冬の餓死が減ったことや狩猟者減少による捕獲数減で増え過ぎた状態ということだ。

   そこで、狩猟を禁じて動物を保護する鳥獣保護区の削減に踏み切る自治体が続出している。保護区は地元自治体などの意見を聞いて国または都道府県が指定するが、例えば茨城県は2010年に常陸太田市の意見を受けて同市内の保護区の更新を見送っている。食害に悩む地元住民からの嘆願書を受けてのことという。

   こうした保護区の削減を朝日新聞が集計したところ、2007~2012年度の6年間に全国で約9万2000ヘクタールの保護区が廃止・縮小され、2012年末時点で、全国で約362万ヘクタールになった。削減分のうち8割近くがシカやイノシシによる被害が理由という。

   各地で、懸命の対策が取られている。ミズバショウの3分の1が食害にあうという国立公園・尾瀬(群馬、栃木、新潟、福島県境)では、4月から群馬県や地元猟友会などが協議会を作り、150頭の捕獲を目指し、200個のわなを仕掛ける取り組みを始めた。富士山でも、林野庁関東森林管理局と独立行政法人森林総合研究所が共同で、静岡県内の国有林をモデル地区として、シカの捕獲のほか、植生回復の技術開発に取り組む。東京都内でも、ワサビを中心に食害が増えている奥多摩町は年間1400万円で猟友会に駆除を委託、都内最高峰の雲取山(2017メートル)の山頂まで都のヘリで猟友会員を運んで下山しながら捕獲するなどの取り組みを進めている。

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