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石川遼は世界で戦えないのか 丸山茂樹「正直、通じない」

   2013年から米ツアーに本格参戦しているプロゴルファーの石川遼選手(21)。大きな期待を背負っての世界進出だったが、今のところあまり成績は振るわず、同い年の松山英樹選手に水をあけられてしまっている。

   そんな石川選手について、米ツアーで日本人最高の3勝を挙げている丸山茂樹選手(43)が、テレビ番組で「日本では通じたけど、世界では通じない」と厳しい見方を示した。

米ツアー19試合中9試合で予選落ち

苦戦続きの石川選手(11年6月撮影)
苦戦続きの石川選手(11年6月撮影)

   丸山選手は13年7月27日放送のバラエティー番組「ジョブチューン ~アノ職業のヒミツぶっちゃけます!」(TBS系)に出演した。

   プロゴルファーの裏側について色々とぶっちゃける中、パネラーのバナナマン・設楽統さんが「石川遼くんって、前はバンバン勝ってたイメージがあったんですけど、最近何か調子良くないのかなって思うんですけど…」と話を振った。

   丸山選手は「正直に言わせてもらうと、日本では通じたけど世界では通じない」とキッパリ。「日本に来たら間違いなく今でも、皆さんが『強い石川遼だ』っていうのと同じパフォーマンスができると思う」と日本での強さは認めつつ、司会のネプチューン・名倉潤さんから「それだけ世界はすごいんですか?」と聞かれると、「ただ者じゃないです、みんな」と返していた。

   確かに石川選手は、米ツアーであまりいい成績を残せていない。13年に入ってから19試合に出場しているが、そのうち9試合で予選落ち。5月のHPバイロン・ネルソン選手権では通算6アンダー、10位タイの好成績をおさめたが、7月25日から28日まで行われたRBCカナディアン・オープンでは予選通過者最下位の77位で最終ラウンドに進めなかった。6月には国内の日本ゴルフツアー選手権にも出場したが、ここでもまさかの予選落ちを喫していた。

   一方の松山選手は、13年に出場した米ツアー4試合で予選落ちしたのは1試合のみ。6月の全米オープンは通算7オーバーで10位タイ、7月の全英オープンでは2オーバーで6位タイ、RBCカナディアン・オープンでは9アンダーで16位タイだった。国内の獲得賞金ランキングでは1位を独走中、来季の米シード権獲得も視野に入っている。

予選落ち続きで実戦積めず、松山とどんどん差が付く

   石川選手と松山選手、どこで差が付いてしまったのか。スポーツジャーナリストの菅谷齊氏は「体格」と「安定したメンタル」を挙げた。

   石川選手は成長期を経て、少年から大人の体つきになってきた。筋肉の付き方が変わると、体のひねり方が少し狂ってしまう。何ヤードも球を飛ばさなければいけないゴルフの場合、少しの狂いが最終的に大幅なズレとなってしまう。その点松山選手は既に体が出来上がっていて、確固たる自分のゴルフができているという。

   メンタル面では、松山選手は大学のゴルフ部で鍛えられた落ち着きがある。石川選手は高校在学中からプロに転向し、世間から常に注目される存在だったこともあり、少し浮ついている感がある。また、同い年の松山選手に「勝たなきゃ」と意識しすぎ、余裕がなくなっているとも指摘した。

   丸山選手の「世界では通じない」発言については、菅谷氏も「米ツアー本格参戦を表明した時点で、無理だろうと思っていた」と同調した。4日間の米ツアーで好成績を残すにはスコア60台を全日出すレベルが必要だが、石川選手は初日でかなり出遅れることが多く、強豪揃いの中、残りの3日間で巻き返せないのだ。

   さらに予選落ちが多い現状では、強い選手に囲まれて実戦を積む機会も減ってしまい、どんどん松山選手との差が付いてしまう。

   また、米ツアーに出場する選手は、まずはアジアのツアーなどでドサ回りし、少額の賞金を稼ぐことから必死でやってきたという経験があるが、石川選手にはそれがなく、ハングリーさに欠けるのが欠点だとも言う。

   今後石川選手が勝っていくには、スコアもメンタルも安定させ、自分のゴルフをちゃんとしていく必要がある。とにかく自分に厳しく愚直にゴルフをやっていくしかないと話していた。