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土屋アンナの公演中止騒動、どっちが正しい? 「稽古に来ない」vs「原作者の許可取ってない」

   タレントの土屋アンナさん(29)初主演の舞台が突然中止になった問題で、アンナさん側が「原作者に舞台化の許可を取っていない」と主張して騒ぎになっている。主催の演出家側は、これを否定しており、訴訟になる可能性も出てきた。

   土屋アンナさん主演の舞台「誓い~奇跡のシンガー~」は、2013年8月に東京と兵庫で上演が予定されていた。

アンナさん側、「無断で稽古休んだ」を否定

   ところが、主催会社が7月29日、公式サイトで突然、上演中止を発表した。その理由も、かなり具体的で突っ込んだものだった。アンナさんが、参加予定の稽古8回中で最初の2回だけ参加し、残りは正当な理由なく無断で参加しなかったからだというのだ。そして、アンナさんに対し、「社会人としての責任をお取りいただくべく,損害賠償訴訟を含む断固たる措置を講じる所存です」と書いている。

   ネット上では当初、アンナさんへの非難の声も上がったが、アンナさんの事務所はこの日、マスコミへのFAXや公式サイトの告知で真っ向から反論した。それによると、原作者から「舞台の台本を見ていないし、承諾もしていない」と稽古期間中に聞き、原作者の権利に配慮するよう主催側に対応を求めていたところだったという。しかし、主催側の代理人から公演中止決定と損害賠償請求の書面が突然届くなどしたとして、「事実無根の内容にただただ困惑しております」としている。

   さらに、車イスで歌手活動をしている原作者の濱田朝美さんも、この日のブログで、アンナさんを擁護する長文の記事をアップした。濱田さんは、5月24日の舞台制作発表の1週間前に友人からのメールで初めて舞台化を知ったと明かし、台本も7月27日に送られてきたばかりで、許可もしていないと訴えた。演出家と出版社元担当が1年半前に路上ライブにあいさつに来たことで許可を取ったと納得のいかない説明をされたとし、台本も原作と内容が異なっていて侮辱された気分になったそうだ。

制作費に3000万円、賠償請求は1億円に?

   この問題は、スポーツ紙にも大きく取り上げられて、テレビのいくつかのワイドショーも2013年7月30日に特集を組んだ。それらの番組では、主催会社社長で演出家の甲斐智陽さんが取材に答えており、原作者の濱田さんからはすでに許可を取っていると主張した。

   濱田さんとその代理人弁護士、出版社担当者と計4人で4月ごろに話し合ったとし、「原作があるもんで、その作者の許可をもらわないなんてありえない」と話した。土屋アンナさんについては、「とにかく稽古に来ない」「ウソつきは土屋側ですよね」とまで述べた。

   甲斐さん代理人の伊藤芳朗弁護士は、J-CASTニュースの取材に対し、5月の舞台制作発表前までには濱田さんに話は通し、許可は取れていると説明した。アンナさんの主張については、「単なる言い訳と考えています。稽古に出てこない理由が全然理解できないです」という。濱田さんに対しては、「路上ライブで許可を取ったということで制作発表をするわけはありません」と反論している。舞台は、3000万円ほどの制作費がかかっており、アンナさんへの賠償請求は多ければ1億円はいく可能性があることを明らかにした。

   ただ、アンナさん側の関係者は、取材に対し、稽古が11回あったうち、アンナさんは5回出ており、残りも別の仕事があって出られないことで主催側の了解を得ているとした。濱田さんから舞台化を許可していないことを聞いて主催側と話し合ったが、本人の署名などの証拠が出なかったとし、7月18日以降は証拠を出さない限りは稽古に出ないことで主催側も了解済みだと言っている。

   なお、濱田さんの原作「日本一ヘタな歌手」を出した出版社の光文社では、「今般の舞台化につきましては関与しておりませんので、コメントは差し控えさせていただきます」(広報室)と取材に答えている。