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「あまちゃん」DVDのセリフカットで松田聖子バッシング 圧力をかけた?それとも「事実誤認」だからか?

   NHKテレビ小説「あまちゃん」のDVDを巡り、歌手の松田聖子さん(51)に対するバッシングが起こっている。TV放送の際に小泉今日子さん(47)が聖子さんを紹介するセリフがあったが、DVDではその一部が削除された。それは聖子さんサイドが圧力をかけたためではないか、などと一部週刊誌が報道したからだ。

   一方で、小泉さんのセリフの内容に「事実誤認」があったため、圧力があっても無くても削除するのは当然なのではないか、と主張する人もいる。

ぶりっ子でも嫌われず同性の憧れの対象だった

   問題になっているDVDは「あまちゃん 完全版 Blu-rayBOX1」。放送第1週から8週まで収録されていて、その7週目の38話「おらのママに歴史あり」のセリフの一部がカットされているというのだ。それは母親役の小泉さんが娘役のヒロイン、能年玲奈さん(20)に対し自分は昔アイドルを目指していたと打ち明けて、1980年代のアイドルシーンを語る場面だ。

   小泉さんの真横には聖子さんの大型ポスターが張られ、当時の聖子さんのミュージックビデオも流された。小泉さんは聖子さんを、歌がうまく、可愛く、80年代を代表するアイドルでありみんなが夢中になった、とベタ褒め。自分もレコードを買って歌をすぐに覚えて振りもコピーした、と語った後に、こんなセリフがあった。

「ぶりっ子って言葉の語源は聖子ちゃんだからね。かわい子ぶっているのに同性に嫌われない!むしろ憧れの対象だったワケ」

   この部分がそっくりカットされているというのだ。

   週刊誌「女性自身」が2013年10月8日付の電子版でこの問題に触れると、ネットで聖子さんに対するバッシングが起こった。記事には、「じつはDVD化にあたり、聖子側の抗議によって一部のセリフがカットされたそうです」「聖子側はこの『ぶりっ子』という言葉に過剰に反応したようです」などという関係者の声が紹介されていた。このため、「完全版」を見たいと思っていたファンたちから怒りをかってしまったようだ。ネットの掲示板やブログには、

「松田聖子、人間が小さいと言うかケツの穴小さいな」
「嘘泣きぶりっ子」
「こんなことでクレームつけるのか。現役アイドルならまだわかるけど。がっかりだな」

などといった批判が大量に出ている。

宮藤官九郎は当時幼くてアイドル事情に疎かった?

   一方で、聖子さんからクレームがあったのかどうかは別にして、放送直後からこのセリフに関しては首を傾げる視聴者がいた、などとし、削除して当たり前だと考えている人もいた。それは「ぶりっ子の語源は聖子」という点と、「ぶりっ子は同性の憧れの対象」という部分が「事実誤認」だというのだ。

「聖子に対して『ぶりっ子』を指摘する層は彼女を嫌ってたぞ」
「ぶりッ子→男の前で媚びを売り同性に嫌われる最悪女。死語」
「ぶりっ子ってのは聖子をばかにするための言葉だから、どんな言い方変えても当時は『ばかにするために使っていた』。それを小泉は知ってるのに、小泉が言うんだから そりゃむかつくわ」

などといった書き込みや、「あまちゃん」の脚本家の宮藤官九郎さん(43)は、聖子さんが最もアイドルで活躍した時代は幼かったため、当時を知らないまま書いてしまったのではないか、と憶測する人もいる。

   ちなみに「ぶりっ子」は今でも女性には不人気のようで、ポータルサイト「goo」が13年10月5日に発表した「女性からみて『なぜ?』と思う男性の行動ランキング」では、「ぶりっこを『可愛い』と思ってしまう」がベストテンの3位に入っている。その理由に、

「自分をかわいく見せようと虚像を演じるぶりっこに女性の目は厳しく光ります。ぶりっこに嫌悪感を抱くのは、嘘をつかないことや正直であることを大切にしている人なのかもしれませんね」

という説明がついている。

   NHKに対し、なぜ小泉さんのセリフの一部をカットしたのか聞いてみたが、

「ご指摘のセリフをDVDに入れていないのは制作上の理由からです。番組をDVD化する際、制作上の理由などで、放送した内容を一部編集することはこれまでにもあります」

ということだった。