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「生保業界からクレームがあったのでは?」 TBSマツコ新番組、突然の休止に憶測出回る

   マツコ・デラックスさん(41)の新番組が1回放送されただけで中止になったことに、ネット上では、様々な憶測が出回っている。TBSでは、「顔をぼかし過ぎと社内で指摘があった」などと説明している。

   「契約をとるための夜のテクニック!?」「2ちゃんねるで分かる生保レディの秘密」。TBS系のバラエティ番組「マツコの日本ボカシ話」は、こんなテーマで2013年10月23日未明に1回目を放送した。

TBS「全編ボカシが局の内規に抵触する恐れ」

   番組は、金融や医療、不動産などの業界ゲストにマツコさんが接触して、テレビでは話しにくい裏話を顔にボカシを入れて話してもらうというものだ。2回目は、30日未明に銀行員をゲストにして、「外回りで見た! 老人の金欲・性欲・孤独死」などのテーマで放送する予定になっていた。それが29日になって、TBSが番組ホームページで突然休止を発表したことが分かった。

   その理由として、TBSでは、「全編ボカシという表現・演出方法には、局の内規に抵触するおそれがある問題点が露見した」としている。いったん放送を休止した後は、表現・演出方法の再検討を行うというのだ。

   ところが、ネット上では、これは建前であって、本当のところは違うのではないかとの指摘が相次いでいる。

   その1つとして、番組の初回で生保レディーの枕営業まで取り上げたため、テレビに多くのCMを出し、いくつもの番組スポンサーになっている生保業界からCMを止めるといったようなクレームが寄せられたのではないかという声が多い。また、信ぴょう性に欠ける匿名情報のため、フジテレビ系「ほこ×たて」で発覚したヤラセに近いようなことが見つかったのでは、というものもあった。

   確かに、番組内容は、かなり生々しい生保レディーらの告白になっていた。

生保レディーら生々しい枕営業を暴露

   まず、元生保レディーの女性(37)が、営業に回ったスーツ店経営者男性からご飯に誘われ、終電後に行ったビジネスホテルでいきなり迫られた話を切り出した。マツコ・デラックスさんが「で、ヤッたんですか?」と聞くと、女性は、いったんは拒否したものの、結局そういう形になったと明かした。翌日には、男性は女性の会社の保険に切り替え、1年ぐらい付き合うことになったとした。

   また、23年も生保レディーを続けている同じ会社の女性(46)は、支部長と食事に行って、「ぜひ一度ヤラせてくれないか」と誘われたことがあると語った。会社は、生保レディーに仕事を頑張らせるため、支部長にはイケメンを派遣しているとも明かし、マツコさんは「そんなホストみたいなことやっているの?」と驚いていた。

   さらに、2人は、「保険業界2ちゃんねる」のサイトで実名に近い生保レディーの枕営業話が出てくること、会社にはその書き込みを削除するチームがあることを明かした。番組では、そのスレッドの書き込みまで映して紹介していた。

   ただ、番組の最後には、「広い生保業界のほんのごく一部のボカシ話です」という断り書きも付けられていた。

「クレームがあったか答える材料がない」

   ネット上では、枕営業話が出てくる2ちゃんのスレッドが特定され、このスレでも、番組に取り上げられたことが話題になっていた。スレでは、より詳しく話が書き込まれているため、番組に出演した2人の会社を特定する動きが出る事態にもなっている。

   番組について、生保業界からクレームが来ているということはあるのだろうか。

   TBSの広報部では、取材に対し、珍しく口頭で説明した。番組を休止したのは、あくまでも全編ボカシが局の内規に抵触するからだとし、「ほかの原因があるわけではありません」とした。ただ、クレームがあったかについては、「お答えする材料はないです」とだけ答えた。

   また、ヤラセがあったことは否定し、「ほこ×たてとは局も違いますし、番組の性質も違うので、まったく関係はありません」と言っている。

   局の内規については、ほかに手段がなくて、必要不可欠なときだけボカシなどの手法を使うことが報道番組では決まっているとし、マツコさんの番組でも、報道ではないものの、内規を適用すべきでないかとの声が社内からあったと説明した。ただ、なぜ全編ボカシがいけないかなどについては、「お答えする材料はないです」と言うのみだった。