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安倍首相、昭恵夫人に「降伏」 原発、消費税反対でも夫婦円満

   安倍晋三首相(59)がフェイスブックで「妻への降伏」を明かしたことに対し、様々な見方が出ている。夫婦円満の秘訣を説いたものだが、何か事情があるのではないかというわけだ。

   田園風景を前にした邸宅のテラスで、テーブル席に着いた安倍首相と昭恵夫人(51)がこちらを向いてニッコリと微笑んでいる。

昭恵夫人は、原発輸出や消費増税にも反対

「妻への降伏」明かす
「妻への降伏」明かす

   安倍首相が、「いい夫婦の日」2013年11月22日の前日にフェイスブックで公開した写真だ。そして、「家庭の幸福は、妻への降伏。」と、その日への思いを書き込んだ。さらに、「家族の支えがあってこそ、男性も女性も良い仕事ができます。日本の元気は、元気な家庭から。強い日本を取り戻すベースです」とつづっている。

   この話題は、いくつかのメディアが取り上げ、昭恵夫人が原発政策で安倍首相と意見を異にしており、「家庭内野党」を自任していることを紹介した。そして、安倍首相が低姿勢でそれに臨むことで家庭内をまとめたり、意見が異なっても夫人がいることが元気の源になったりしているとの見方を示した。

   その昭恵夫人は、このところ独自な主張や行動が目立ってきている。

   原発については、国会内で6月6日にNPO法人が開いたセミナーで、安倍首相が成長戦略の一環で進める原発輸出を疑問視する発言をした。報道によると、「私は原発反対なので、非常に心が痛む」と明かしたという。東京都内で11月12日に北海道新聞が開いた懇話会でも、原発輸出について否定的な考えを示した。道新によると、「主人にも『今、売り込むべきではない』と意見は言っているが、全然聞いてもらえない」とも明かしていた。

   懇話会では、安倍首相が決めた14年4月からの消費増税にも反対を明言した。昭恵夫人が都内で経営している飲食店もやっていけなくなるとして、「主人に『小さいところは本当に大変なので、消費税は上げないでください』と毎晩言っていた」というのだ。

仲が悪くなったわけではない?

   昭恵夫人の奔放な発言や行動については、官邸周辺が手を焼いているとも一部で報じられた。

   「原発反対」発言があった2013年6月には、官邸内に「アッキー部屋」が設けられ、女性官僚2人が昭恵夫人にファーストレディー教育を始めたという話も出ている。しかし、それでも発言などをコントロールできず、官邸周辺が困り果てているといった報道すらある。

   安倍首相との関係については、お互いにすれ違いが多く、「仮面夫婦」のようになっているとの報道もあった。私邸に住んでいる安倍首相が、この1、2か月で首相公邸に泊まる回数が増えているとも報じられている。国会会期中ということもあるが、昭恵夫人が公邸に移るのを嫌がっているともされた。

   「妻への降伏」と安倍首相が明かしたのは、コントロールができないことへの何らかのサインとみていいのか。

   官邸に詳しい政治記者は、取材に対し、そう明かしたからと言って仲が悪くなったわけではないとみる。

「確かに、主義、主張は違いますが、自由な夫婦でお互いに束縛しないようにしています。昭恵さんはお嬢さま育ちの奔放な性格で、2人に子供もいないので、自由にしているだけだと思います。安倍さんは、優しい性格ですし、ある程度は仕方がないと思っているのでは。違う主義、主張を容認するところが、むしろ凄いところでしょう。政治家には、女性問題を抱える仮面夫婦もかなりいますが、安倍さんは、そんな話もなく仲がいい方だと思いますよ」

   昭恵夫人が将来、政界に進出するかどうかについては、否定的な見方を示した。それは、政治家を辞めるよう進言するほど、安倍首相の大変な姿を見ているからだという。