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尼崎監禁事件の容疑者「タクシー使い放題」 資金源は何だったのか

   兵庫県尼崎市の中3監禁事件を起こした沖野玉枝容疑者(43)は、毎日タクシーを使うなどその豪勢な生活ぶりが報じられている。生活保護を受けながらなぜそんなことができるのかと、地元では有名だったというのだ。

   同じ尼崎市では、2012年10月に連続変死事件が発覚し、主犯格女性の凄まじい浪費ぶりも大きな話題になった。今回の事件でも、異様な集団生活が報道で次々に浮き彫りになってきている。

集団生活の飲食費に月50万円との報道も

   TBS系「朝ズバッ!」では13年12月12日、沖野容疑者がタクシーを頻繁に使う様子を運転手の証言で明らかにした。

「タクシーの無線でいつも、だいたい毎日乗っていましたね」
「いつも子供たちも一緒で、駅の近くのファストフード店にいつも行っていましたね」

   沖野容疑者の自宅マンションからJR立花駅までは、ゆっくり歩いても数分しかかからない。しかし、沖野容疑者は、多い日には1日4往復もタクシーを利用し、運転手の間ではちょっとした有名人だったという。

   駅まではワンメーター660円なので、毎日使っていたとすると、1か月4、5万円はタクシー代に使っていた計算になる。

   また、3年ほど前とは、容貌が変わり、服装も派手になっていた。近所の人たちの証言によると、沖野容疑者は10キロ以上も太り、赤い着け毛のエクステをしていた。前出のタクシー運転手によると、胸元が開いた服で助手席に1人で乗ってきたこともあったという。

   一方、マスコミ報道によると、沖野容疑者は2月ごろから少年少女10人前後と集団生活を始め、食事などの面倒を見ていた。彼らの飲食費として、月に50万円を支払うことがあったとも報じられている。

   こうしたお金については、一体どうやって捻出していたのだろうか。

生活保護の支給は、行政が甘かったから?

   兵庫県警少年捜査課によると、沖野玉枝容疑者は、尼崎市から生活保護費を受給していたことが分かっている。中学2年の長女(14)と小学生2人、幼児の計4人の子供がおり、母子家庭として、月に36、7万円の支給を受けていたとも報じられている。うち住宅扶助は最大で5万5300円になるが、報道によると、3DKの部屋の家賃に7万円を支払っていたという。

   そのほか、2013年10月からは自宅近くでカラオケスナックを経営し、その収入もあったらしい。店の料金は、飲み放題1時間2000円、従業員ドリンク500円などだった。報道では、長女ら少年少女4人ぐらいも働かせていたとされている。

   とはいえ、こうした収入だけで集団生活の飲食費やタクシー代を支払えたとは思えない。報道によると、沖野容疑者は、複数の少女たちに自宅などで買春させていた疑いが出てきた。その相手は、スナックなどで見つけていたという。県警では、児童買春・児童ポルノ禁止法違反などの疑いでも調べていると報じられている。

   こんな生活に対して生活保護を支給していたというのは、行政が甘かったからだとは言えないのか。

   尼崎市福祉事務所では、取材に対し、「個人については守秘義務がありますので、受給の有無を含めてお答えを差し控えさせて下さい」と言うのみだった。

   ただ、一般論として、都市部に当たる尼崎市では、沖野容疑者のような子供4人の母子家庭では、最大で月36万円ほどが支給されるとした。収入があれば、控除額を除いて支給がその分差し引かれるが、収入が1万5000円までなら引かれないという。タクシーを使ったり、高級料理店に入ったりすることは、生活指導の対象にはなりうるものの、支給内でのやり繰りの自由になり、支給をストップすることはできないとしている。