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ナイナイ岡村隆史「中止になったらテレビの未来ない」 「明日ママ」騒動で日テレドラマ制作側を擁護

   関係団体による抗議で波紋を広げている児童養護施設を舞台にした日本テレビ系ドラマ「明日、ママがいない」について、お笑いコンビ「ナインティナイン」の岡村隆史さん(43)がラジオ番組内で言及した。

   岡村さんは「これで中止になってしまったらテレビの未来はもうない」と話し、現場の委縮や抗議の活発化などを危惧した。

「最後までみて判断すべきだ」

番組では約10分、「明日、ママがいない」について語った(画像はオールナイトニッポン公式サイト)
番組では約10分、「明日、ママがいない」について語った(画像はオールナイトニッポン公式サイト)

   ドラマは、児童養護施設「コガモの家」で親と離れて暮らす子供たちの姿を描いている。赤ちゃんポストに預けられた女児が「ポスト」というあだ名で呼ばれたり、施設長の男性が子供たちを「ペットショップの犬」に例えたりと、一部センセーショナルな描写がある。第1話放送後には、「こうのとりのゆりかご」を運営する熊本県の慈恵病院や全国児童養護施設協会などが人権侵害があるとして抗議。日テレは放送の継続を発表したが、22日放送の第2話ではドラマのスポンサー8社のうち3社がCM放送を見合わせた。現在も表現の自由を巡って議論を呼んでいる。

   そうした中、2014年1月23日に放送されたラジオ番組「ナインティナインのオールナイトニッポン」(ニッポン放送)で、岡村さんは「明日、ママがいない」(以下、明日ママ)を見たと報告した。だが、騒動になるほど問題があるとは思えないとして、

「(最近は)バラエティばかりが叩かれていましたけど、ついにドラマにもきたかと。もしこれで放送中止になってしまったら、テレビの未来はもうないです」「テレビでお仕事をする人間として、これ以上テレビの発展は見込めなくなりました」

などと、テレビの今後に危機感を示した。抗議する人たちに対しては「(内容の)ポイントだけを取るだけで、全体を見ていないのでは」と指摘し、「最後までみて判断すべきだ」と主張する。

ニュースやクイズ番組ばかりになる?

   さらに、「明日ママ」がだめだというならば、93年放送のドラマ「高校教師」(TBS系)も今の時代に再放送することはできないだろうと指摘した。「高校教師」は「明日ママ」の脚本監修を担当した野島伸司さんの代表作として知られ、男性高校教師と女子生徒の「禁断の愛」を描いただけでなく、近親相姦やレイプなどの問題も扱ったセンセーショナルな作品だ。

   岡村さんは、仮に今の時代に再放送したとすれば、教育委員会や教師から「生徒と恋するなんて、そんなことはありません」「レイプなんてするわけない」と文句を言われることもあり得ると話す。岡村さんが「家なき子」「医療ミス」など次々と「NGドラマ例」を挙げると、相方の矢部浩之さんも(42)も「そもそもお芝居やからな」と同意した。

   「反論」はさらに続いた。今回の抗議によって、ドラマの制作現場が委縮するというものだ。本来取り入れたかった部分も自主規制してしまうこともあり得るだろう、という。また、「抗議による放送中止」というの前例ができてしまうと、ちょっと見て「気に食わない」となれば、すぐに抗議といった流れができてしまうとも危惧する。結果的に、バラエティもドラマも作られなくなり、かわりにニュースやクイズ、ハプニング映像、警察密着ものなどが増えるのではとも予測した。

   番組中は一貫して「明日ママ」を応援する姿勢を示し、時には怒り交じりに訴えることもあったが、最終的には「いやーでもな、おれはドラマ出たことないから何とも言われへんねんけど(笑)全然ドラマのこと分からへんねん、ごめんなさい」と話し、和やかに話を終えた。