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「パーマ失敗、チリチリで結婚式台なし」 490万円賠償、美容院に勝訴できるものなのか

   パーマが失敗して、結婚式が台なしになったとして、高松市内の女性が美容院を相手取って総額約490万円の損害賠償を求める訴訟を起こしたと報じられた。

   美容院の経営者は謝罪しているようだが、女性は「一生に一度の晴れ舞台を楽しみにしていたのに」と許せないようだ。ネット上では、訴えることの是非も含めて、関心を集めている。

自慢の長い髪を失い、結婚式でお色直しの計画変更

ネット上でも相談が
ネット上でも相談が

   報道によると、女性は2013年1月に香川県内にある美容院を訪れ、デジタルパーマをかけてもらった。デジタルパーマとは、比較的強いパーマで、髪を乾燥させるだけで形状が戻るタイプを言うらしい。

   女性は、毛先がもつれたようになり、パーマが失敗したと感じた。美容院からは元に戻せると言われ、5月にはストレートパーマをかけた。このときに7月末に結婚式をすると伝えたという。しかし、縮れ毛が出るようになり、7月に再びストレートパーマをかけた。すると、タワシ状に縮れたりするなど、毛先から25センチ以上も髪がチリチリになって、15センチ分の髪を切らざるをえなくなったという。

   その結果、自慢の長い髪の毛を失ってしまい、結婚式でお色直しの計画を直前で変えることにもなったとした。訴訟では、慰謝料約220万円に加え、髪が元の長さに戻るまでの6年間にかかるトリートメントやヘッドスパ、カラーリングなどの費用約230万円を求めた。報道によると、女性は14年1月10日付で高松地裁に提訴している。

   一方、美容院の経営者男性は、責任がないわけではないとして、できれば女性と和解したい意向を示したそうだ。

   このニュースが出ると、ネット上では、「ショックな気持ちは分かるけど裁判まで起こすかねw」「パーマ無料券3毎分くらいで十分」「なんで失敗してんのに3回も行ってんだ?」などと女性に対する疑問の声がまず上がった。

「美容院のミスが証明できないと、勝訴は難しい」

   もっとも、「いやいやさすがにチリチリはダメだろww」「実際やられたらたまったもんじゃない」と女性に同情する声も出ている。

   実際、パーマなどの失敗については、ネット上では、美容院に損害賠償を請求したいとの声がいくつも寄せられていた。弁護士ドットコムを見ると、パーマで失敗して美容院に12万円余を請求したいという女性の相談もあり、応対した弁護士が、慰謝料も含めて20~50万円程度が損害賠償として認められうるなどと説明していた。

   過去の報道では、高額の賠償が認められたケースも中にはあった。横浜市内の女性がコールドパーマのせいで皮膚炎や耳鳴りに悩まされていると損害賠償を求めた訴訟では、東京地裁が1990年3月19日に美容院に400万円の支払いを命じている。判決では、パーマ液を塗って30分以上も放置した使用法や洗髪のやり方にミスがあったと認定していた。

   弁護士ドットコムで相談に応対している黒岩英一弁護士は、パーマの失敗で勝訴するためには、やはり美容院のミスが明らかにされないといけないと指摘する。

「裁判では、美容院が本人の希望でそうしたと主張する可能性がありますので、注意義務違反などに問うことは難しくなります。ですから、パーマがチリチリになると予測できたと、因果関係が証明される必要があります」

   400万円の判例については、ミスのうえに健康被害もあったので高額になったのではないかと言う。通常の失敗では、パーマ液の使用法などにミスが分かれば10~20万円、美容院に結婚式を伝えているなら、最高で50万円の損害賠償が認められうるとしている。